遠藤周作没後25年 … NHK-ETV特集「封印された遺作」を紹介し 思うところを記しました。その後 やはりNHK-ETVで "遺作「深い河」をたどる" 前後篇が放映されました。不敵にも 私自身は「深い河」は遠藤周作の駄作!だと思っていましたので、改めて興味深く視ました。
番組は 若い頃から遠藤周作と井上洋治神父の薫陶を受けた山根公道氏(ノートルダム清心女子大教授)と若松英輔氏(随筆家)の対談で進められました。この井上神父は「深い河」に登場する "大津" のモデル※とされ 若き日の遠藤と神父がフランスに渡航する時から深い親交があります。
※人を愛せない「美津子」は神父をめざす「大津」を弄び彼から「キリスト教を奪ってやる」と誘惑。キリスト教を棄てた大津を美津子は棄て去りますが、大津がインドで貧者救済に奉仕していることを知り美津子は…。
前列左端が井上神父、その横に山根氏、後列左から三人目が若松氏 ... "風の家" にて1990年頃。
若松英輔氏は 若い頃 信仰に悩み心の病に陥った際、井上神父に聖書のあれこれの矛盾、疑念を長々とぶつけたそうです。神父は聞き終わると『ありがとう。良い話を聞かせていただきました』と言い、更に『信仰ってことは 知ることじゃないです。生きることです』と。
井上神父の言葉に若松氏は氷が溶けるように一瞬に心が癒されるのを感じた由。神父はやがて"風の家" を主宰、若松氏と山根氏は "風の家" で出会いました。"風" とは "プネムマ(聖霊)"。どこからともなく現れ 去って行く目に見えない しかし力ある "風" に喩えた家でした。
遠藤周作が生涯 身近に置いた母(郁)の遺品のマリア像。
1996年9月29日。その日、病床で昏睡する遠藤周作の傍らに座る奥様に医師は『人工呼吸器のスイッチを外してもよろしゅうございますか?』と。以下、奥様が語られたその時!です。
『外れると同時にほんとうに主人の顔が今まで見たこともないほど嬉しそうな顔になって " 俺はもう今 光の中に入ったから安心しろ。おふくろにも兄貴にも会えた。おまえにも必ず会えるからな。死は終わりじゃないんだ " と。あぁ、このひとは光の中に入ったんだなぁ、と私も思ったのでした』。
遠藤周作は「深い河」を自分の棺に入れておくよう遺言するほど この書に懸けていました。
「深い河」エピローグ... 「大津」は重傷を負い死の淵にあって『これでいい』と。
井上神父から贈られたマリア像が山根教授の勤めるノートルダム清心女子大の庭にあります。井上神父は良寛の詠んだ句『裏を見せ表を見せて散るもみじ』を好まれた由。石造りの穏やかな表情のマリア像は すべてをさらけ出し美しい光景を醸す紅葉とよく調和しています。
ノートルダム清心女子大の庭にあるマリア像
さて話はコペルニクス的に転回! わが家の愛猫シマジロウは 良くなったかと思えば元気をなくし そしてまた良くなり… の日々。は 二週間余前 やや元気をなくし眠りつづけているシマ。動物病院の点滴はシマには酷!でも お蔭で今は元気を取り戻しホッとしています。
黒人霊歌 Deep River(深い河)をオケとコーラスで!
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
名残の季節 https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ce82e1c580f64c8ab8d43e2c674a481d
番組は 若い頃から遠藤周作と井上洋治神父の薫陶を受けた山根公道氏(ノートルダム清心女子大教授)と若松英輔氏(随筆家)の対談で進められました。この井上神父は「深い河」に登場する "大津" のモデル※とされ 若き日の遠藤と神父がフランスに渡航する時から深い親交があります。
※人を愛せない「美津子」は神父をめざす「大津」を弄び彼から「キリスト教を奪ってやる」と誘惑。キリスト教を棄てた大津を美津子は棄て去りますが、大津がインドで貧者救済に奉仕していることを知り美津子は…。
前列左端が井上神父、その横に山根氏、後列左から三人目が若松氏 ... "風の家" にて1990年頃。
若松英輔氏は 若い頃 信仰に悩み心の病に陥った際、井上神父に聖書のあれこれの矛盾、疑念を長々とぶつけたそうです。神父は聞き終わると『ありがとう。良い話を聞かせていただきました』と言い、更に『信仰ってことは 知ることじゃないです。生きることです』と。
井上神父の言葉に若松氏は氷が溶けるように一瞬に心が癒されるのを感じた由。神父はやがて"風の家" を主宰、若松氏と山根氏は "風の家" で出会いました。"風" とは "プネムマ(聖霊)"。どこからともなく現れ 去って行く目に見えない しかし力ある "風" に喩えた家でした。
遠藤周作が生涯 身近に置いた母(郁)の遺品のマリア像。
1996年9月29日。その日、病床で昏睡する遠藤周作の傍らに座る奥様に医師は『人工呼吸器のスイッチを外してもよろしゅうございますか?』と。以下、奥様が語られたその時!です。
『外れると同時にほんとうに主人の顔が今まで見たこともないほど嬉しそうな顔になって " 俺はもう今 光の中に入ったから安心しろ。おふくろにも兄貴にも会えた。おまえにも必ず会えるからな。死は終わりじゃないんだ " と。あぁ、このひとは光の中に入ったんだなぁ、と私も思ったのでした』。
遠藤周作は「深い河」を自分の棺に入れておくよう遺言するほど この書に懸けていました。
「深い河」エピローグ... 「大津」は重傷を負い死の淵にあって『これでいい』と。
井上神父から贈られたマリア像が山根教授の勤めるノートルダム清心女子大の庭にあります。井上神父は良寛の詠んだ句『裏を見せ表を見せて散るもみじ』を好まれた由。石造りの穏やかな表情のマリア像は すべてをさらけ出し美しい光景を醸す紅葉とよく調和しています。
ノートルダム清心女子大の庭にあるマリア像
さて話はコペルニクス的に転回! わが家の愛猫シマジロウは 良くなったかと思えば元気をなくし そしてまた良くなり… の日々。は 二週間余前 やや元気をなくし眠りつづけているシマ。動物病院の点滴はシマには酷!でも お蔭で今は元気を取り戻しホッとしています。
黒人霊歌 Deep River(深い河)をオケとコーラスで!
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
名残の季節 https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ce82e1c580f64c8ab8d43e2c674a481d