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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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エストニアの風

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 爽やかな五月の風にのって 少し早いですが 5月のQPカレンダーをお届けします。
 私、10連休には何の関わりもありません。とは言うものの心は少し浮かれ、昨日はフェスティバルホールに参りました、遙かエストニアからとどく風をいただきに・・・。


                   5月のQPカレンダー "与勇輝風" Painted bu QP

 3、4年前、N響恒例の「第九演奏会」をTVで視ました。TVで聴く管弦楽は大抵!印象に残りません。が、パーヴォ・ヤルヴィさん指揮の「第九」のなんと素晴らしかったこと! 以来、機会があれば彼が指揮する演奏会にぜひ!行きたいと思っていました。

 ヴァイオリンの五嶋みどりさん。天才少女も40代後半、ダイナミックかつ成熟した音色を生で!聴きたいと思っていました。天才少女の頃の風貌がわが孫娘にどこか似ているところにも惹かれます。勿論!孫娘には天才の片鱗すらありまセーヌ河ですが・・・。



 昨日のフェスティバルホール・・・まさにその二つの願いが叶った演奏会でした。加えて6年前のちょうど今頃、「バルト三国」と言われるリトアニア・ラトビアとともにエストニアを訪ねました。その最後の夜、エストニア管弦楽団の演奏も聴いたのでした。

 勿論、今回の管弦楽団とは異なります。今回のエストニア・フェスティバル管弦楽団はパーヴォ・ヤルヴィさん肝いりに結成されました。メンバーの半数は将来を嘱望されるエストニアの若手を選りすぐり、残り半数は各国の一流演奏家を招いた管弦楽団です。

 この管弦楽団のミッションは、エストニアの息吹を世界中に伝えること。そして気鋭の若手が一流の演奏家とコラボしながら音楽を創りだすことにより、一層大きく成長する・・・それがこの管弦楽団の生みの親パーヴォ・ヤルヴィさんの願いであり期待でした。



 開演前の五嶋みどりさんとのプレトークでヤルビィさんが熱く語られました。
 エストニアは人口150万人の小さな国ですが、国民の5人に1人が参加する大合唱祭(3年毎)で知られる音楽の国、音楽の民。素晴らしい自然とともにその音楽・文化を世界に紹介し広める大使としてこの管弦楽団を更に大きくしたい、と。


                     トームペアの丘より首都タリンの街を眺望

 第1曲は、エストニア人の作曲家ペルトの「ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌」。初めて聴く曲でした。半鐘が小さな音色を刻む中、弦楽器がピアニッシモから入り半鐘とともに大きくうねります。無粋な「ブラボー」もなく余韻がしっかり心に残りました。
 今回の管弦楽団ではなさそうですが、パーヴォ・ヤルヴィさん指揮によるエストニアのオーケストラの演奏をお聴きください。深い瞑想につつまれることと思います。



 エストニアは「スカイプ」を生み出した電子先進国ですが、首都タリンの旧市街は中世の欧州の雰囲気を残し、郷愁を誘われるのか欧州からの観光客がたくさん訪れます。緩やかな坂道には昔のままの石畳が敷かれ・・・そよ吹く風が全身に心地良く感じられます。


    
 次にフィンランドが生んだ大作曲家シベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」は五嶋みどりさん、大きな拍手で迎えられました。エストニアの首都タリンとフィンランドのヘルシンキはバルト海フェリーで2時間半の近さながら民族も文化も言語も異なります。両国ともロシアの圧政に長く苦しんだことでお互いに共感しています。


                    バルト海の浜辺からタリンの街を眺望
 
 五嶋みどりさんは、昨年、エストニアのパルヌで開かれた音楽祭に出演、エストニアの人々に素晴らしい印象をもたらしました。「若い演奏家を育てる」ことでパーヴォ・ヤルヴィさんも五嶋さんに共感し、今回の日本における協演につながったようです。

 激しい第1楽章から穏やかな第2楽章、そして再び激しく劇的な第3楽章へ。細身で軽やかな五嶋みどりさんの本質は烈しい!のかもしれません。ぎゅ~っと集中して聴き、聴きおわると放心・・・。管弦楽はなかったかのような印象のヴァイオリンの響きでした。


      タリン港に程近い「太っちょマルガリータ」の愛称の海洋博物館(元は武器庫、砲台)

 「テンペストの呪文」。エストニアの若手作曲家の作品で、日本初演です。今回の演奏の終わり方の雰囲気も You tube. とまったく同じでした(笑)



 そしてメインのシベリウス「交響曲第二番ニ長調」。
 外山雄三さん作曲の カンタータ「京都」 とよく似た雰囲気の曲です。暗闇と静寂の大地から光が静かにしのびより、やがて広く大きく激しく・・・。フィナーレは、指揮者が もっと!もっとだ!と言わんばかりの演奏を求め、奏者はこれでもか!これでどうだ!と応える凄い演奏でした。鳴りやまぬ拍手に、アンコールが2曲も!演奏されました。



 6年前に訪れたタリンの街並みを思い出しながら聴きました。日本人には珍しくも殆ど出会わない旅、ちょうど祭が開かれていて「欧州の旧い街の祭はこんな感じなんか」と。白夜ですから暗くなるのは10時過ぎ、広場では無料コンサートが開かれていました。



 キリスト教会も方々にあり、聖オレフ教会はホテルのすぐ近く。如何にも静かな佇まいですが、お祭の際は教会の敷地内にテントのお店がたちならびました。そういう商売をされているのはなぜか殆どロシア系の方で、買うと「スパシーブル」と。



 なんだか妙な終わり方になりました。みなさんの10連休は如何ですか? お孫さんの風が押し寄せるお家もあれば、引きこもり?のようにじぃ~っとしている10連休も・・・。まあそれぞれの10連休ではあります。それなりにそれぞれにお愉しみくださいね


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