きょう また ひとり 旅立った
苦しい旅立ちではなかったと つたえられたけど
それでも 苦しいわけはなく 淋しいわけはなく 悔しいわけはなく
きっと 生きたくて 生きたくて もっと生きたかったにちがいない
ひと足はやく旅立った りりィが
往年の面影きざしつつ なんとまあ淡々と あるいは晴れやかに うたう
『あなたの仕合わせ ねがっているわ 私だけは いつまでも・・・』とリフレインし
さいごに とびきり明るい声して 『どうもありがとうございました』と・・・
『みんなの仕合わせ ねがっているワ』って うたうけど どうなんだろう
だれにもひとしく! ねがうってことではないだろうし
だれにもいつまでも! ってわけではないとおもう
たしかに いまはただみんなの仕合わせを ねがっているにちがいない
それでも あなたの仕合わせをねがう気持ちは 格別!に きまっている
もう 桜は散って 瑞々しくやわらかな若葉しげる季節
陽の光も日ごとにつよく なみだも汗とともに顔を濡らし
そよふく風が しめったこころを撫でてとおる
それが 永久の旅立ちにふさわしく思えて またひときわせつない
『草は枯れても いのち果てるまで 君よ夢を心に 若き旅人よ』
そんな輝かしく若さあふれる世界ではないかもしれない
それでも この世でいのち果て 永久のいのちを得た旅人には ふさわしい詞だ
その旅路が 光あふれ安らかにして美しいものであれと ただただ祈りたい