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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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かんわきゅうだい 24 ( 名曲断想2 )

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 QPの絵を歓んでくださる方がたくさんいらっしゃいますので、今回は「クロQ」(クローズアップQP)としました。現在、新境地を拓こうとアーティスティックに闘っています。ご紹介するのは数年前の旧作ながら、それでもやっぱりいつも新しい!

 

 荒木一郎 「空に星があるように」
 こんな歌手、知らない!かもしれませんね。風采の上がらない、それでいて少しデカダンで、ときに危険な匂いをまきちらす人でした。
 『空に星があるように/浜辺に砂があるように/ボクの心に/たった一つの小さな夢が/ありました・・・風が東に吹くように/川が流れて行くように/時の流れに/たった一つの小さな夢は/消えました』。
 高度経済成長、右肩上がりの時代でした。そんな時代のそんな社会の片隅に咲いた一輪の名もない花のような歌でした。
 『淋しく淋しく星を見つめ/ひとりでひとりで涙にぬれる/何もかもすべては/終わってしまったけれど/何もかもまわりは/消えてしまったけれど・・・空に星が あるように/浜辺に砂があるように/ボクの心にたった一つの/小さな夢がありました』。

 和田アキ子 「あの鐘を鳴らすのはあなた」
 好きな歌手ではありません。歌も巧いとは思いません。しかし阿久悠のこの詩に心がしびれました。「希望の匂いがする」・・・確かに私たちは人の匂いを嗅ぎながら時代を生きてきました。しかし、それは人の匂いではなく希望の匂いだったのだと・・・。
 『あなたに逢えてよかった/あなたには希望の匂いがする/つまずいて傷ついて泣き叫んでも/さわやかな希望の匂いがする/街はいま眠りの中/あの鐘を鳴らすのはあなた/人はみな悩みの中/あの鐘を鳴らすのはあなた』
 そのように生きながら、時代と社会への不信と不審は容易に消えない若者たち・・・。その心の砂漠の中で、少しずつ取り戻した「信じたい心」ではありました。
 『あなたに逢えてよかった/愛しあう心が戻ってくる/優しさやいたわりや触れあうことを/信じたい心が戻ってくる/街はいま砂漠の中/あの鐘を鳴らすのはあなた/人はみな孤独の中/あの鐘を鳴らすのはあなた』

 八代亜紀「舟歌」
 これも阿久悠。よほど相性が良いのでしょう。映画『駅 STATION』(1981年)の中では、居酒屋で高倉健と倍賞千恵子がNHK紅白歌合戦を観ているシーンに登場します。
 『お酒はぬるめの燗がいい/肴は炙ったイカでいい/女は無口なひとがいい/灯りはぼんやり灯りゃいい/しみじみ飲めばしみじみと/想い出だけが行き過ぎる/涙がポロリとこぼれたら/歌い出すのさ 舟唄を・・・沖の鴎に・・・』
 ひと気ない駅前の飲み屋。映画には珍しく十数分の長まわし・・・。「あたしも飲んじゃお」と手酌する倍賞千恵子。出遭いと、やがてくる悲劇のなんという前触れ・・・。
 『店には飾りが無いがいい/窓から港が見えりゃいい/はやりの歌など無くていい/ときどき霧笛が鳴ればいい/ほろほろ飲めば ほろほろと/心がすすり泣いている/あの頃 あの娘を 思ったら/歌い出すのさ 舟唄を・・・ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと/未練が胸に舞い戻る/夜ふけて淋しくなったなら/歌い出すのさ舟唄を ルルル・・・』

 

 千昌夫「北国の春」
 高度経済成長を象徴した東京オリンピック。「減反」で百姓が百姓として生きることが難しくなった時代、現金収入を求め北国の男達は都会の工事現場に出稼ぎに・・・。
 『白樺 青空 南風/こぶし咲くあの丘/北国の ああ 北国の春/季節が都会ではわからないだろうと/届いたおふくろの小さな包み/あのふるさとへ帰ろかな 帰ろかな』
 ふるさとに残る農家の女たちは、淋しさをまぎらすためにみんなで集まり、小さく手拍子をしながら「北国の春」を歌っていたのでした、春を待ち焦がれつつ・・・。
 『山吹 朝霧 水車小屋/わらべ唄聞こえる/北国の ああ 北国の春/兄貴も親父似で無口な二人が/たまには酒でも飲んでるだろか/あの故郷へ帰ろかな 帰ろかな』

 小椋佳「愛燦々」
 小椋佳の歌の中では好きな歌ではありません。No.1を上げれば「さらば青春」です。しかし小椋佳の語りに似たこの歌をなぜかはずし難く思うのです。
 『雨潸々とこの身に落ちて/僅かばかりの運の悪さを恨んだりして/人は悲しい 悲しいものですね/それでも過去たちは優しく睫毛に憩う/人生て 不思議なものですね』
 人生の悲哀を語りつつ、斯く穏やかに春の陽射しのように歌う「愛燦々」。どこか違和感を覚えつつ、どこか優しく包まれてしまう心地良さ・・・。
 『風散々とこの身に荒れて/思い通りにならない夢を失くしたりして/人はか弱い か弱いものですね/それでも未来たちは人待ち顔をして微笑む/人生て 嬉しいものですね・・・愛燦々とこの身に降って/心ひそかな嬉し涙を流したりして/人はかわいい かわいいものですね/ああ 過去たちは優しく睫毛に憩う/人生て 不思議なものですね』

 島倉千代子 「人生いろいろ」
 小泉純一郎氏が総理のとき、この歌詞を引用し話題を集めました。彼は、オペラや歌舞伎など古典芸能・芸術に造詣も関心も深いひとですから、やや意外でしたが・・・。
 『死んでしまおうなんて悩んだりしたわ/バラもコスモス達も枯れておしまいと/髪を短くしたり強く小指をかんだり/自分ばかりをせめて泣いてすごしたわ/ねぇおかしいでしょ若い頃/ねぇ滑稽でしょ若い頃/笑い話に涙がいっぱい/涙の中に若さがいっぱい』
 島倉千代子は、生きている時は散々陰口を叩かれた歌手でした。しかし「最期の声」を聴いた人には陰口も跡形なく霧散したでありましょう。彼女にふさわしい歌でした。
 『恋は突然くるわ 別れもそうね/そして心を乱し神に祈るのよ/どんな大事な恋も 軽い遊びでも/一度なくしてわかる胸のときめきよ/いま輝くのよ私たち/ いま飛び立つのよ私たち/笑いばなしに希望がいっぱい/希望の中に若さがいっぱい・・・人生いろいろ 男もいろいろ/女だっていろいろ 咲き乱れるの』

 もんたよしのり「ダンシング・オールナイト」
 学生時代、まだブレイクする前の彼の歌を何度か聴きました。暗い表情の若者が学ランのような衣装を纏いブルースのようにフォークを歌っていました。
 『甘い時 はずむ心/一夜のきらめきに揺れる/キャンドルがうるむ瞳の中で/ 無邪気に踊ってみせる・・・独り言 吐息ひとつ/それだけで崩れてしまう/危な気な恋と知らず/ぬくもりを手さぐりしてた・・・この店で最後の夜を/どちらからともなくそう決めて/想い出をなぞるように踊る/初めて会った夜のように』
 「おいらの空は鉄板だ」と言う地下鉄工事の歌を歌っていた彼。「ダンシング・・・」のサビ!にこめられた呪いのような歌ごえは、昔のままのもんたよしのりでした。
 『Dancin'all night 言葉にすれば Dancin'all night 嘘に染まる Dancin'all night このままずっと Dancin'all night 瞳を閉じて』

 

 BORO「大阪で生まれた女」
 10年ほど前、ぶらりと亀岡(京都府)の道の駅に寄った際、ホールで開かれていたBOROの小さなコンサートに出遭いました。市PTA主催の無料のコンサートでした。
 『踊り疲れたディスコの帰り/これで青春も終わりかなとつぶやいて/あなたの肩を眺めながら/痩せたなと思ったら泣けてきた・・・たどり着いたら一人の部屋/青春に心をふるわせた部屋/裸電球をつけたけど また消して/あなたの顔を思い出しながら/終わりかなと思ったら泣けてきた』
 全部歌えば18番まであるこの「大阪で生まれた女」の全部!を聴いたのは初めてでした。ここでは小さくて壮大なドラマ・・・のごく一部のご紹介となります。
 『やがて愛する子供が出来/あの青春を思い出す・・・大阪は今日もあの日のまま/あなたの青春が残っている/大阪は今日も活気にあふれ/またどこからか人が来る・・・』

 上條恒彦と六文銭「出発(たびだち)の歌」
 突然!のブレイクでした。その1~2年前の冬、池袋のある集いで彼の「君の眸に」という歌を聴きました。マイクもなしにドデカイ声で歌ったのにびっくりしつつ・・・。 
 『乾いた空を見上げているのは誰だ/おまえの目に焼きついたものは化石の街/愛のかたちが壊れた時に/残されたものは出発の歌/さあ今 銀河の向こうに飛んで行け』
 「化石の街とはなにか?」。如何様にも解されますから敢えて記しません。「化石の街」という抽象的な言葉が具象的にイメージされる時代でもありました。
 『乾いた空を見上げているのは誰だ/おまえの耳を塞がせたものは時計の森/自由な日々が失われた時に/残されたものは出発の歌/さあ今 銀河の向こうに飛んで行け/さあ今 宇宙に さあ今 未来に 飛んで行け』

 アリス「冬の稲妻」
 初めてこの歌に出遭ったとき、文字どおり稲妻に衝たれました。感覚的な歌であり、またセクシュアルな歌でもあります。少なくとも私にはそれまでになかった歌でした。
 『あなたは稲妻のように/私の心をひき裂いた/蒼ざめた心ふるわせて/立ち盡す 一人立ち盡す/You're Rolling Thunder 突然すぎた/You're rolling Thunder 別れの言葉/忘れない/あなたが残していた傷跡だけは』
 同時代性・・・。「われらの時代」。そうした感性と、そうした感性がはまりがちな陥穽と、閑静には程遠い雑踏と騒音の中で青春が駆け抜けていました。
 『あなたは稲妻のように/私のからだ突きぬけた/燃えつきたからだ抱きしめて/駈けぬける一人 雨のなか/You're Rolling Thunder 突然すぎた/You're rolling Thunder 別れの言葉/忘れない/あなたが残していった傷跡だけは・・・』

 オフコース(小田和正)「言葉にできない」
 誰が作ったのかわからない有名なアニメーションのバックでこの歌が流れます。愛猫への愛と鎮魂をこめて作られたアニメーションです。他に言葉は・・・ありません。
 『終わるはずのない愛が 途絶えた 命尽きてゆくように/ちがう きっとちがう 心が叫んでる/ひとりでは生きてゆけなくて また誰かを愛している/こころ哀しくて 言葉にできない・・・切ない嘘をついては 言い訳を飲みこんで/果たせぬあの頃の夢は もう消えた/誰のせいでもない 自分が小さすぎるから/それが悔しくて 言葉にできない・・・あなたに会えて 本当に良かった/うれしくて うれしくて 言葉にできない』

 

 明日からまた数日、PC環境のない処へ参ります。スマホもタブレットもありません。
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腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
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吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f


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