20年前。私は仕事の面白さに目覚め仕事に埋没していました。息子は大学4年、家を出てワンルーム暮しを始めました。子育てを終えた妻は習い事、教え事に夢中でした。健康不安はこれっぽっちもありませんでした。1997年、皆さんにはどんな年でしたか?
20年前。不倫小説「失楽園」がベストセラー、映画「タイタニック」「もののけ姫」は空前の配収。バブルが崩壊し倦怠と閉塞感が生まれつつあったこの年、山一証券が廃業に追込まれ北海道拓殖銀行は破綻・・・1997年の日本経済は恐慌寸前にありました。
1997年。安室奈美恵は「アムラー」と言われる一大ブームを巻き起こし、小室哲哉とともにミリオンセラーを連発しました。「Can You Celebrate?」は前年につづくレコード大賞に輝き、NHK紅白歌合戦では二十歳にして紅組のトリ!をつとめました。
紅白歌合戦は異常な盛上がりを見せます。しかし彼女には休業!への日程の一つに過ぎませんでした。この日!について23日放送の NHK「告白」では『自分が自分じゃないみたいで不思議な感じでした。でも幸せいっぱいでした』『大きな決断をしたという感じではありません。好きな人がいて子どもを授かった、その嬉しさしかなかったです』。
1年の休業を経て彼女は再び紅白歌合戦のステージへ。『1年間まったく歌わなかったですから、暖かく迎えて貰えなかったらどうしよう、と不安でいっぱいでした』。1年休業してなお紅白で復帰後最初のステージ・・・彼女の自覚を超える彼女の存在感でしょう。
歌ったのは今回も「Can You Celebrate?」。前年紅白で歌った時の視聴率は59.1%、そしてこの年の紅白では64.9%、驚異的な記録です。「祝ってくださいますか?」は他者に対してではありません。あなたと私と これから生まれてくる私達の子どもへの祝福。
Can you celebrate? Can you kiss me tonight? We will love long long time.
永遠ていう言葉なんて 知らなかったよね
Can you celebrate? Can you kiss me tonight? We will love long long time.
二人きりだね 今夜からは 少し照れるよね
永く 永く いつも見守っていくれている 誰かを 探して 見つけて 失ってまた探して
遠かった 怖かった でも 時に素晴らしい夜もあった 笑顔もあった
どうしようもない 風に吹かれて 生きてる今 これでまだ悪くはないよね
・・・間違いだらけの道順 なにかに逆らって走った 誰かが 教えてくれた
想い出からほんの少し 抜け出せずに 佇んでいる 訳もなく涙あふれ 笑顔こぼれている
永遠ていう言葉なんて 知らなかったよね Say hello forever.
Can you celebrate? Can you kiss me tonight? We will love long long time.
二人きりだね 今夜からは どうぞよろしくね
Can you celebrate? Can you kiss me tonight? I can celebrate.
彼女は紅白で涙しながら歌う自身に『もらい泣きしちゃう』と言い、『自分で自分を見て泣くっておかしくないですか?』とインタビュアーに笑いながら問う。
『そんなにあたたかく迎えてくださるとは思わなくて、会場の空気感がとても和らかくて、私 戻ってきてもいいんだ!って思った瞬間、グッ!と来きて・・・』
2001年。23歳。総てを頼ってきた小室哲哉からの独り立ちを余儀なくされます。時に歌詞も自分で書き、ファンの反応をみながら歌も踊りも修整、「自分で自分をプロデュースする」道を歩み始めました。その時期の曲が彼女の25曲目「Say the word」
永遠につづく道 遠く果てしなく 新しい風 感じながら 今日も歩いて
光さえ見失って さまよったとしても 焦らないで闘える 君だけのために
ありふれた言葉がいい 聴かせてほしい
Say the word,and lead me there for you. ありのまま歩けそう
Say the word,and it's my dreams come true. 限りなく どこまでも
Here together now ・・・ and everlasting.
ここからすべてが 未来へと音たてずに 動き始めてるよ
寂しさや切なさも すべて抱きしめる
Say the word,and lead me there for you. 一緒ならきっと
Say the word,and it's my dreams come true. 求めあうだけでいい
すれ違い 傷ついても 二人だけの場所はあるから おなじ光 浴びたい
やがてヒット曲が途絶え光が見えなくなります。『何がタメなんだろう?』ともがきます。そこから『安室を置いて安室じゃない自分』を探し始めます。そんな自分探しの時期を振返り『凄く愉しく達成感があった。これからは好きなものは好きだと言おう』『器用じゃないから目の前にある単純なことを分厚い高い壁してしまう。なんか難儀な性格!』
2007年、「Baby don't cry」が久しぶりに大ヒット、29歳の「新しい安室」が女性の心を掴みます。そして『コンサートで生の私見てほしかったから』と活動の軸をTVからコンサートに転換、MCも一切!なくし・・・2時間ぶっ通しのステージを作ります。
10代でも20代でも、そして30代でも40代でもミリオンヒットを達成した唯一の女性アーティスト。50曲目の「HERO」は2016年のリオ五輪で日本チームのテーマ曲に採用されます。そして低迷していた時期を振返り『やっぱり様々な経験をすることが一番!未来につながる気がします。そこに身をおいてしか学べないものがありますから』。
いろんな色で染まる世界で 一人で振り向かなくてもいい
今までの君のまま進めばいいから あきらめないで everyday
君だけのための hero どんな日もそばにいるよ Oh I'll be your hero
強くなれるわけは 大切な人が 常に笑顔で支えてくれた だから乗り越えられる
険しい道のりも 君と交した約束の場所 辿り着いてみせる いつか必ず forevermore
今年9月、安室は「引退」を宣言します。本当は『総てを出し切り総てを成し遂げたと思った20周年のときに引退したかった』『20代後半から引退!がちらついていた』『相談したかったけど相談することができないことが最大の悩みだった』『始まりがあれば終わりがある。デビューがあれば引退する時がくる』『40歳。デビュー25周年。歌を歌う自分にピリオドを打つにはふさわしい節目だと思います』。
2018年。5大ドーム15公演、アジア5公演、70万人動員をめざします。そして2018年9月16日、マイクを置きます。『引退ってネガティブなイメージがあるけど引退は私にとって一つの通過点。終わりがあればスタートがある』『この先の人生の方がきっともっと楽しく長い』『新しい発見とか新しい興味とかに情熱を注ぎたい』『母親になって、感情のコントロールの仕方、感情の入れ方、存在の大きさ、すべて息子がいたから感じられるものだった。息子の存在があるからこそ今の私があり、今ここにいる』。
Finally, I can stop dreaming 願い続けた日が ついに今スタートを切ったの
Finally, I can stop wishing モノクロの世界が この瞬間 色づいてゆく
今ここに立つステージで 新しいストーリーが始まる
守るものがあるから 強くなれるの 光差し込む未知の世界へ 両手広げて
全て受け止めるから 輝かしい未来へ Finally
Finally, you don’t have to worry
心配なんかいらない 挫けそうな時も傍にいるから 今ここに立つステージで新しいストーリー作ろう…
この世界へ 両手広げて 全て受け止めるから 輝かしい未来へ Finally
Finally, I can stop dreaming...
「Finally」とすべきですが、私にとっての安室奈美恵は「Can You Celebrate?」しかありません。
【過去ログ目次一覧】
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吾輩も猫である~80
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吾輩も猫である81~140
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腎がんのメモリー
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