漂流アドベンチャー ... 私も人生を漂流しています。漂流すなわちアドベンチャー(冒険)ではありませんが、何が起きるかわからない人生ゆえ 誰にとってもアドベンチャーかな? まぁそんなキリのない小理屈は置いておきましょう、ここは視たまま感じたまま!ということで ...。
前回の鳥島につづく漂流アドベンチャー(2) はフィリピンのバタン島。遠州灘~太平洋に出ると黒潮がやや南に蛇行、小笠原諸島を縫うように漂流し貿易風と北赤道海流に乗ってグルッと迂回、西へと流された先がバタン(馬丹)島。鳥島までの5倍! 3500kmのアドベンチャーです。
バタン島までヨット「風のバラ」号は2週間の漂流でした。一方、江戸時代前期(1668年)尾張大野村の材木運搬船の乗員15人の漂流は1か月余。水桶は嵐で吹き飛ばされ飲料水もなく、15人が1か月余の漂流をどう生きぬき 島でどのように暮らし どのように日本に帰ったのか...。
「らんびき」という蒸留器があります。ギリシャ語に由来する名称で旧くから世界中で使われています。材木運搬船の船頭 次郎兵衛が遺した漂流記にも、海水を沸かしその蒸気を冷やして水を作る「らんびき」について記され、1日2升の水を作り雨水と併せて飲用したようです。
池内さん達もヨットの船内で「らんびき」のやり方で水を作りました。
材木船ですから燃やす木は多く、鍋に海水を入れ沸騰させ 蓋の真ん中に円い小穴を開け竹筒を通します。
竹筒から取り込んだ蒸気を冷やすため もう一つ鍋をおき その鍋に冷たい海水を入れ 蒸気を冷やします。
長平たちが辿り着いた鳥島は無人島でしたが、バタン島には住民がいました。次郎兵衛ら15人は住人に捕えられ殴打され下帯まで身ぐるみ剥がされ「下人=奴隷」とされます。台風を凌ぐため天井まで1m半の低くて狭い粗末な棲家が与えられ 部族間の合戦に狩り出されたりも ...。
漂流記に『年寄は働き悪しき候とて親にても打ち殺し候』との記述があります。島全体が貧しく、働けなくなった年寄は撲殺される習わしがあったようで 次郎兵衛ら二人がここで撲殺されました。日本の「姥捨て」にも似た習わしと言うのでしょうか ... なんとも無惨ではあります。
島に2年4か月滞留することになりますが、脱出の奇策を思いつきました。島には金属素材がなく遠くマニラで手に入れていました。そこで『日本には金銀鉄などが豊富にある。帰ってそれらを持ち帰りたい』と提案すると諒解され、斧一丁と造船のための木々伐採が認められました。
「ブタラオ」の樹。斧一丁で伐り出し製材、14mの船を作りました。モチベーションの高さ!
2人が撲殺されたものの13人はこの船で黒潮にのりまっすぐ!2000kmを漂流、五島列島に帰着しました。9年後、日向(宮崎)に23人のバタン人が漂着、戻らない日本人を追ってきたのではないかと伝えられています。なお一行?は幕府によりオランダ船でバタン島に送還されました。
なんともサラリとした紹介になってしまいました。今週 10/15日(金) 午前9:00~ BSプレミアムにて「漂流アドベンチャー(3)」が放送され、明治の冒険野郎 水谷新六の「幻の宝島」探検の跡を追います(2018年放送)。「プレミアムカフェ選」シリーズの貴重な再放送、ぜひご覧下さい。
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
名残の季節 https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ce82e1c580f64c8ab8d43e2c674a481d
前回の鳥島につづく漂流アドベンチャー(2) はフィリピンのバタン島。遠州灘~太平洋に出ると黒潮がやや南に蛇行、小笠原諸島を縫うように漂流し貿易風と北赤道海流に乗ってグルッと迂回、西へと流された先がバタン(馬丹)島。鳥島までの5倍! 3500kmのアドベンチャーです。
バタン島までヨット「風のバラ」号は2週間の漂流でした。一方、江戸時代前期(1668年)尾張大野村の材木運搬船の乗員15人の漂流は1か月余。水桶は嵐で吹き飛ばされ飲料水もなく、15人が1か月余の漂流をどう生きぬき 島でどのように暮らし どのように日本に帰ったのか...。
「らんびき」という蒸留器があります。ギリシャ語に由来する名称で旧くから世界中で使われています。材木運搬船の船頭 次郎兵衛が遺した漂流記にも、海水を沸かしその蒸気を冷やして水を作る「らんびき」について記され、1日2升の水を作り雨水と併せて飲用したようです。
池内さん達もヨットの船内で「らんびき」のやり方で水を作りました。
材木船ですから燃やす木は多く、鍋に海水を入れ沸騰させ 蓋の真ん中に円い小穴を開け竹筒を通します。
竹筒から取り込んだ蒸気を冷やすため もう一つ鍋をおき その鍋に冷たい海水を入れ 蒸気を冷やします。
長平たちが辿り着いた鳥島は無人島でしたが、バタン島には住民がいました。次郎兵衛ら15人は住人に捕えられ殴打され下帯まで身ぐるみ剥がされ「下人=奴隷」とされます。台風を凌ぐため天井まで1m半の低くて狭い粗末な棲家が与えられ 部族間の合戦に狩り出されたりも ...。
漂流記に『年寄は働き悪しき候とて親にても打ち殺し候』との記述があります。島全体が貧しく、働けなくなった年寄は撲殺される習わしがあったようで 次郎兵衛ら二人がここで撲殺されました。日本の「姥捨て」にも似た習わしと言うのでしょうか ... なんとも無惨ではあります。
島に2年4か月滞留することになりますが、脱出の奇策を思いつきました。島には金属素材がなく遠くマニラで手に入れていました。そこで『日本には金銀鉄などが豊富にある。帰ってそれらを持ち帰りたい』と提案すると諒解され、斧一丁と造船のための木々伐採が認められました。
「ブタラオ」の樹。斧一丁で伐り出し製材、14mの船を作りました。モチベーションの高さ!
2人が撲殺されたものの13人はこの船で黒潮にのりまっすぐ!2000kmを漂流、五島列島に帰着しました。9年後、日向(宮崎)に23人のバタン人が漂着、戻らない日本人を追ってきたのではないかと伝えられています。なお一行?は幕府によりオランダ船でバタン島に送還されました。
なんともサラリとした紹介になってしまいました。今週 10/15日(金) 午前9:00~ BSプレミアムにて「漂流アドベンチャー(3)」が放送され、明治の冒険野郎 水谷新六の「幻の宝島」探検の跡を追います(2018年放送)。「プレミアムカフェ選」シリーズの貴重な再放送、ぜひご覧下さい。
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
名残の季節 https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ce82e1c580f64c8ab8d43e2c674a481d