秋の夕日に… Painted by QP
大阪の四大交響楽団と言えば … 筆頭は大阪フィル、次いで関西フィル。そしてセンチュリー、大響と続きます。今日の午後、大響(大阪交響楽団)の演奏会に参りました。
超!一流は最初の数秒(一秒かも)の響きがちがいます。でも偶に少し遊びはります(笑)。その点、超!のつかない一流は遊びません。フルスィングに惹かれ聴き惚れます。
明朝 帰省します。コロナ非常事態延長も台風14号も気懸りながら…強行! 愛猫シマに長旅は酷ゆえシマとツマは残します。動物病院は日曜開院なのでシマの点滴後に出発!
車にナビは付いていますが、眼が良くて気のつく妻ナビがないのは如何にもリスキー。無事!戻れるかどうかわかりませんので 少し早い目にブログを更新しておきます。
「世界わが心の旅」 という旅番組がありました(1993~2003年)。各界の著名な方が思い出の地を再訪する旅です。凡そ70か国300人余の旅のドキュメント、立原摂子さんによるテーマ音楽が始まると それだけで胸がきゅんとなります。新シリーズを期待しているのですが…。
そんな視聴者の声が多いのでしょうね、NHK-BSP「プレミアムカフェ選」でしばしば再放送されます。前後の渡邊(旧姓 黒田)あゆみアナとゲストの語らいも心なごみます。9/4の再放送は 照明デザイナー石井幹子さん(フィンランド)、画家絹谷幸二さん(ヴェネチア)の心の旅でした。
石井幹子さんの 「わが心の旅」 …フィンランド “光の夢” (1995年放送)
石井幹子さん(82歳)は 1962年に東京芸大を卒業、デザイン会社で照明器具を担当し1965~67年までフィンランドに派遣されました。デザインとりわけ照明器具で世界最先端のモードを学び帰国。夜間ライトアップに手腕を発揮し、東京タワーの照明で一躍!脚光を浴びました。
ヘルシンキでは、当時の世界的照明デザイナー リサ・パッペさんの家に住み込み、先進技術と "照明の心" を学びます。それから30年の時を経た1995年、懐かしいヘルシンキのパッペさん宅を再訪しました。リサさんはすでに世を去り、迎えてくれたのは恩師の娘ラウラさんでした。
蝋燭の灯りのなかで語り合う石井幹子さんとラウラ・パッペさん
石井さんはラウラさんに 『大きくなられて…お母さまそっくり!』 とハグし再会を歓びます。ラウラさんは静かな口調で 『母は口癖のように “黄昏どき” の大切さを語り、家に帰ってもしばらく明かりをつけず、じっと座っていました、黄昏どきをくつろいで味わいたい、と』。
オーロラに心躍り、街の照明に目を瞠る日々。25~26歳の眩しいまでの2年が甦ります。街を再訪し変わらぬ光景に目を潤ませ夜の森でオーロラに心弾ませ…恩師リサさんのお墓でラウラさんと祈りを捧げる光景に心うたれました。日下武史さん※のナレーションも極上!でした。
※ 日下武史さん…素晴らしい役者さんでしたが 2017年、86歳で亡くなられました。
絹谷幸二さんの 「わが心の旅」 …ヴェネチア “青春の窓” (2002年放送)
絹谷幸二さん(78歳)。東京芸大では小磯良平さんに師事し油絵を専攻。1971年、28歳の時にヴェネチアの美術学校アカデミアに留学、ブルーノ・サエッティ教授の下でフレスコ画を学びました。日本のフレスコ画の第一人者(東芸大教授、芸術院会員)の若き修業時代を訪ねる旅です。
修業時代を懐かしみながらヴェネチアの大運河で絵筆をとる絹谷幸二さん
”フレスコ" とは ”フレッシュ” 。壁に漆喰を塗り乾ききらないうちに描きます。やり直しの効かないスピードと技が求められますが、油絵と異なり数百年たってもフレッシュです。F.アンジェリコ「受胎告知※」はフレスコによる壁画の典型…実物には感動の余り声をのみます。
※ 美術館となっているサンマルコ修道院(フィレンツェ)の階段 踊り場の壁に描かれています。
番組が収録されたのは2002年、絹谷さんは59歳になっていました。実はその2年前に私はヴェネチアを旅しましたから、この番組をとても懐かしく視ました。ヴェネチアを再訪した絹谷さんが「ヴェネチアはいつも変わらない」と述懐されたそのままのヴェネチアがありました。
アカデミア橋…私が訪ねた2000年は "如何にも木製" でしたが ヴェネチアでは珍しく 新しい!
ヴェネチアでの2年半、物置のような部屋に結婚したばかりの奥様とともに下宿した絹谷さんは『お金がなくてイワシばかり食べていた』と。部屋には窓がなく、壁に向って 「壁をなくしたい!」 と、壁に “窓” の絵を描きます。描いた窓により壁がなくなる!第一作でした。
ともに学んだ人々にも再会、集まっては食事し絵について熱く語りあったレストランに招待します。半世紀を経て『実は君が好きだった』と当時のマドンナに告白も…。そして出された料理は絹谷さんの日々を支えた?イワシ料理…絹谷さんの青春が我が事!に感じられました。
絹谷さんの絵を買った最初の人を訪ねます。若い画学生への支援であり期待でもあったでしょう。絵は 下宿の壁に窓を描いた絹谷さんそのままに “窓から吹きよせる風” がベッドの女性を優しく包む光景。絵を買った女性は『返せと言われても もう返さないわ』と微笑みました。
最初に買っていただいた絵…買われた方の寝室に架けられていました。
番組のシリーズ名は 「わが原点」。つい!「わが減点」 と寒~い駄洒落を言いたくなります(言いましたな!) やはり 一角(ひとかど)の人物の若き時代には 一角を為すだけの 深くて熱い原点がある!ことを確認し、減点ばかりの自分とはえらいちがいやなぁ、と心底!思いました。
本日の演奏会…リスト「ピアノ協奏曲2」へのアンコールに応えた リスト「コンソレーション3」
一旦終わったのに gooさんが再び紹介されたため アクセス増が止まりまセーヌ河。
商品誘導コメントも増! 出来るだけ削除していますが 無視なさって下さいね。
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c