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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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六月...雨をふりそそぎ

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                         6月のカレンダー Painted by QP.

 なんだか追われるように日々が過ぎ行きます。そんな日々になんとまあ酷い事件のつづくこと・・・。被害に遭った方々とそのご家族、そして加害者の家族もまた塗炭の苦しみにまみれるほかありますまい。悲しい心により添う六月の雨であれ 花であれ と願います。

 ここしばらくブログを更新できませんでした。間もなく8年を迎える腎がんの術後検診ブルーも然りながら・・・PCの不調で倍も三倍も手間がかかることも然りながら・・・仕事を巡りこころ幾許か乱れたことも然りながら・・・何もかも然りながらただなんとなく・・・。
           

          美しくも その棘で何を護ろうとしているのか・・・和知(京都府)の野あざみ 

 そんなとき奨められるまま読んだ A.コリン「あなたの体は9割が細菌」は眼から鱗!でした。暫く前にこのブログでご紹介した『最後の講義・・・福岡伸一さん』の「動的平衡」に相通じるところにも興味をひかれましたし人体の秘密を垣間見るワクワク感も!    
     A.コリン「あなたの体の9割は細菌~微生物の生態系が崩れ始めた~」(河出書房新社)
    『最後の講義・・・福岡伸一さん』⇒ https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ce07e2376bf140f159d11a5b65294a21


       いつも行く自然食レストラン「菓歩菓歩」の裏庭に いつの間にかサクランボが・・・。

 「現代の健康・医療に寄与した四大イノベーション」として著者が掲げるのは ①予防接種の普及、②「病原菌の巣」と言われた医療現場の衛生観念の向上、③上下水道など公衆衛生の徹底、④抗生物質の開発・投与です。説明するまでもなく納得!できます。

 著者は、マレーシアの原生林でコウモリの研究をしていた学生時代、ダニによる熱帯病に罹りました。大量の抗生物質投与で一命をとりとめますが、以来、自らの身体の異変、体調不良に苛まれ、それをきっかけに自らの体内の微生物の研究を始めます。

 そこで気づいたのが四大イノベーション以前にはなかった病気・・・「21世紀病」と言われるものと四大イノベーションとの因果関係でした。例えば抗生物質を投与された者とそうではないものとは何がどう異なるのか、分子レベルから調査・研究を始めました。


              和知の山野草苑で見かけたこんな細工・・・思わず頬が緩みます。

 ちょうどその頃(2000年)、分子生物学の分野ではヒトの遺伝子を総て解明する「ヒトゲノム」計画が最終段階にあり、クリントン米大統領は『我々は病の診断・予防・治療に革命をもたらす知見を手に入れつつある』と世界に宣言、脚光を浴びました。

 解読前、この分野の世界のエキスパート百数十人がヒトの遺伝子の数を当てる予想ゲームをすると、最大15万個、平均5万5千個(ちなみに既に解読されたマウスの遺伝子は2万3千個)。2003年に解読が終了、ヒトの遺伝子は2万1千個余と判りました。

 マウスよりも、小麦や線虫よりも少なかったのです。そしてクリントンの期待に反しヒトゲノムが解読されただけでは殆ど何も変わりませんでした。そうした中で、まだ研究の緒についたばかりの著者コリンは「体内の微生物の数と種」に没頭していました。


                  わが猫の額の庭にも等しく初夏の光そそぐ一日・・・。

 ヒトには腸の中だけでも100兆個、4千種の微生物が棲み、それら微生物の遺伝子の総数は440万個に及ぶことが判ります。腸内の微生物はヒトが体内に摂取したものを分子レベルで吸収代謝し、命を終えた微生物が大腸を経て体外に排泄されていると・・・。
        ※糞便の7~8割は食べた物の残りカスではなく細菌・微生物の残がいです。

 抗生物質は、病源となる細菌のほか腸内の微生物にも大きな打撃を与えます。ダニによる熱帯病で多量の抗生物質を投与された著者は、自身の腸内の微生物の棲息状況が抗生物質を投与されたことが殆どない人々の腸内と大きく異なることに衝撃を受けます。

 ヒトの身体は自らの遺伝子、臓器、血液などとともに、その9倍の微生物たちと様々に影響しあいながら日々を営んでいるのではないか・・・。そうした見地から著者は様々な調査、実験、分析を進め、「21世紀病」とされる様々な症状の解明に取り組みます。


        枯れたかと思うとまた・・・。明るい陽射しの中、夜景バージョンで撮りました。

 花粉症などアレルギーに象徴される免疫不全にも微生物の関与が窺われ、「心を操る微生物」により腸と脳が繋がっていることにも研究が広がります。やや小難しい話の中、興味深かったのは、盲腸は「退化した役立たずの器官」ではない!ということでした。
 
 抗生物質の攻撃にさらされた微生物は盲腸に避難します。盲腸は、言わば微生物たちの隠れ家なのです。攻撃が治まると盲腸から出た微生物は、失われた領域をとり戻すべく自らを原本に大量のコピーを行います。あだや盲腸を粗末にしてはなりまセーヌ河。

 抗生物質は、病の治療だけではなく家畜の成長促進にも投与されています。抗生物質の蔓延⇒耐性菌の蔓延⇒一層強力な抗生物質の登場・・・微生物たち(すなわち「人間の体の9割」にとって)ますます棲みにくい環境、棲みにくい地球になりつつあります。


             群れる!のは好きではありませんが 花が群れるのはまた別・・・。

 先日、友人から「日本の世界ワースト1」をききました。ビックリしたのは「農薬使用量」、中国でも米国でもなく日本が世界一だそうです。「食品添加物」も同様で、日本は1500種以上、米国130や英国20余と較べるとその凄さ!がわかります。

 「残飯廃棄(年2千万トン・・・輸入食糧の3分の1)」も「遺伝子組換食品」もワースト1 ついでに言えば「家事をしない夫」もワースト1だそうですが、トルコを旅して見た!ことから、それはちょっとちがうんでないかい?(なんで北海道弁?)と思いました。

 本田路津子さん・・・ご存知ないかな? 60~70年代に活躍したフォーク歌手の「雨をふりそそぎ」


【補遺】
 6月2日(日)NHK総合TVにて NHKスペシャル人体Ⅱが再放送されます。
   午後4:15~ 遺伝子(1) あなたの中の宝物トレジャーDNA
   午後5:05~ 遺伝子(2) DNAスイッチが運命を変える
 ※上記の予定で放送される旨、お知らせしていましたが、
  野球中継が延長になったため「遺伝子(1)」のみの放送となりました。
  「遺伝子(2)」は 6/9(日)深夜0:35~改めて放送される予定です。 

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【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c


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