【街は秋色深く・・・】
孤高に深く・・・日本中が背中で泣いています
『たたずまいは、孤高に深く錘(おもり)を下している者だけが醸す存在感に満ちていた。吹雪の中に立つだけでこれほど絵になる人を、ほかに知らない』(天声人語)
『健さんは、夜の海岸で夫婦が喧嘩しているのを遠くから眺めていたそうです。光景が目に浮かぶ話ぶりで “夫婦というのは切ないですね” と。日本中が背中で泣いています』(横尾忠則さん)
高倉健さんについて朝日新聞の某編集委員は「男がほれる男」と書いていました。男だけではありますまい。妻は「昨夕、買い物で出会った主婦はみんな健さんのことを話していました」と。そう話した後、「目立ちたい役者や歌手は幾らでもいますけど、目立ちたくないといつも控え目にして際立つ役者さんは健さんだけでした」と言って、泣いていました。
「幸福の黄色いハンカチ」も「鉄道員(ぽっぽや)」も、たいへん印象深い映画でした。「幸福の・・・」のラスト、倍賞千恵子さんが健さんの姿をみとめ、驚いたような表情の後、ぐっと下を向くところでは堰をきって涙がこぼれました。「鉄道員」は、好きだった義父がかつて北海道の駅長さんでしたから、どのシーンにも在りし日の義父の姿が重なり涙があふれました。
40余年前の接点を経て・・・
エアコンどころか扇風機さえなかった学生時代、とびきり暑い京都の夏をオールナイトの映画館でしのぐことがありました。「人間の条件」などシリアスな作品のほか、高倉健さんや藤純子さん主演の任侠シリーズも上映されました。見せ場に来ると、そのまた昔の東映時代劇のように館内に拍手が湧きおこりました。時代のヒーローがまた一人逝きました。
身内だけでお別れをされた由。健さんの遺言によるものでしょう。心からご冥福をお祈りします。
余話・・・夢のような夢を
昨夜、久しぶりに夢のような夢を見ました。高~い石造りの塔があり、窓のない螺旋階段をどんどん上って行きました。てっぺんに出ると、空の青と海の蒼が混然一体となり雲と波がきらきら眩しく揺らぎ、もしやこれは臨死体験なのか?と思いながらあたり一面を眺めていました。カメラ!カメラ!と探しているうちに醒めたのは、ナサケない現実でしたが・・・。
【わが家も少し秋色に・・・】
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