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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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コンサート「祈り・希望」

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 東北大震災から7年が過ぎました。野も町も人も未だ津波と原発被災の爪痕と傷痕が癒えません。東京五輪招致に向けた総理スピーチ「Under Control」には未だ程遠い現実がつづく中、先日、東北大震災支援チャリティコンサートVol.6「祈り・希望」に行きました。大阪の8つの合唱団のほかソプラノ独唱の後、招かれた福島の市立中学合唱部の女子生徒14人の演奏は「合唱県」と評されるにふさわしい鮮烈な演奏でした。



 【STAGEⅠ】

 K合唱団「一本の鉛筆」。この歌は、映画監督の松山善三さん作詞による美空ひばりさんの歌です。『一本の鉛筆があれば/私はあなたへの愛を書く/一本の鉛筆があれば/戦争はいやだと 私は書く』。戦争は「人間による大震災」・・・ 心にとどく演奏でした。

 女声合唱団R「私には名前があります」。この合唱団が安弘真さんに作曲を委嘱した詩「つたえたいことがあります」の一節です。絶えない戦禍に命を奪われていく子ども達、その子ら一人ひとり総てに、それぞれかけがえのない名前(いのち)があるのだと・・・。

 C.nというグループは、ビートのきいた「4minutes」。若い女性ばかりの歌と踊りはおじさんにはちょっと眩しく、少し引いては前のめりに・・・。でもまあマドンナの持ち歌ですからね。若い客席はしっかり!乗れたでしょうが、私は乗り切れませんでした(トホホ・・・)

 K混声合唱団「あの素晴らしい愛をもう一度」。北山修(作詞)と加藤和彦(作曲)コンビによる半世紀近くも昔のフォークソング。歌としてはちっとも色褪せませんが、残念ながら「素晴らしい愛」を十分経験されなかった? という歌いっぷりではありました。

 国鉄〇〇合唱団「会津磐梯山」「俺達のシルクロード」。「国鉄」なんて知らない!世代がふえ、まさにレジェンドの名を冠した合唱団、フォルテシモとユニゾンが心地よかったこと! 杖をつき歌う方が1名、亡くなった或る先輩を思い出しツーっと涙が・・・。

 T混声合唱団は有名な実力派の合唱団、指揮者とピアノ伴奏のパフォーマンスも実力派でした。演奏曲「楽譜を開けば野原に風が吹く」は福島県合唱連盟が創立70年記念に信長富貴氏に委嘱した曲。パートバランスも絶妙、まさに会場に風が吹きました。



 【STAGEⅡ】

 女声合唱団Sは 宮沢賢治「雨ニモマケズ」。曲も演奏も原詩のイメージとかなりかけ離れていましたが、聴きながら『雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・アラユルコトヲ 自分ヲカンジョウニ入レズ・・・サウイフモノニワタシハナリタイ』 の言葉をかみしめていました。 

 K混声合唱団は幅広い年齢層の合唱団。ラトビア民謡を聴きながら数年前に旅したバルト三国を懐かしく思い出していました。アカペラで歌う「夕焼け小焼け」は、大貫妙子さんがゆったりと歌う「この道」のイメージ、心をぎゅっとつかむ出色の演奏でした。

 ソプラノHさんの独唱「死んだ男の残したものは」。絶唱でした。様々なシンガーの歌をYou tubuで聴けますが、生のソプラノの鋭い歌声がこの詩の意をよく伝えてくれました。それにしても谷川俊太郎のこの詩、なんとまあ痛く烈しくこころ深く抉ること・・・。

 そして福島の市立中学校合唱部の14人の女子生徒による長田弘作詞「散歩」、谷川俊太郎作詞「木」。いずれもアカペラ(無伴奏)です。言葉がとても大切に歌われます。烈し過ぎないフォルテで弾け 一瞬!止まる・・・その残響が たまらなく愛しく思えました。

 「散歩」・・・『ただ歩く。手に何ももたない。急がない・・・曲り角を曲ると道のさきの風景がくるりと.変わる・・・どの道も一つ一つの道がそれぞれにちがう・・・歩くことをたのしむために街を歩く。とても簡単なことだ。とても簡単なようなのだが、そうだろうか。どこかへ何かをしにゆくことはできても、歩くことをたのしむために歩くこと。それがなかなかにできない。この世でいちばん難しいのは、いちばん簡単なこと』。


                              All Painted by QP

 フィナーレは総勢290名の合唱による「群青」。谷村新司の「群青」ではありません。南相馬の中学校では津波で2名の生徒が亡くなりました。また疎開先から戻らない仲間もたくさんいます。卒業生がその人達への思いを託した詩と曲に、音楽教諭の小田美樹さんが構成した合唱曲、いま福島に限らず全国の卒業式で歌われているそうです。

 「群青」・・・『あぁ あの町で生まれて 君と出会い たくさんの思い抱いて いっしょに時を過ごしたね 今 旅立つ日 見える景色は違っても 遠い場所で 君も同じ空 きっと見上げてるはず・・・あたりまえが幸せと知った 自転車をこいで君と知った 海 鮮やかな記憶が 目を閉じれば 群青に染まる・・・あれから二年の日が 僕らのなかを過ぎ 三月の風に吹かれて 君を今でも思う・・・』。
               ※ 詩に歌われた「二年」は 三年、四年と過ぎ、既に七年・・・。



  今回、コメント頂くようなブログではありませんので、コメント欄は閉じさせて頂きました。


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