今年1月、西部邁さんが自死、幇助した者がいるらしいと報じられました(後日二人逮捕されました)。先月半ば、BSフジで池上彰さんと橋田壽賀子さんの対談「人はどう生き どう死ぬべきか?」を視ました。その中でスイスのディグニタス(安楽・尊厳に死ぬ人を支援する非営利団体)の活動が紹介され、74歳のフランス人女性の臨死シーンに衝撃を受けました。
橋田さんは92歳、最愛のおつれあいは既に旅立たれました。良く生きなければ!と懸命に仕事され、良く生きてきた!との深い感慨の下、良く死にたいとの心境にある由。余り好きな脚本家ではありませんが、直截で朗らかな物言いに好感をもちました。
「良い死」とは何か・・・。過去も現在も未来も 誰しも例外なく直面する死ではありますが、容易に見つかりますまい。とは言え、健やかに長く生きたい、苦痛のない安らかな最期を迎えたい、自己の尊厳を保つ最期でありたいと、誰しも望んでいることでしょう。
そこに安楽死が求められ尊厳死が望まれます。一方に宗教としての禁忌、法的制約、医の倫理など克服すべき様々な壁があります。勿論!それらは必ずしも悪い壁とは限りません。あって然るべき髙くて厚い堅固な壁であり、寧ろそうあるべきかもしれません。
安楽死が法的に認められている国は僅か8か国、アジア・アフリカにはありません。現旧問わず社会主義の国もありません。スイスを除いては「他国の人」は認められていませんが、そのスイスで既に日本人3人が安らかな尊厳死を迎えられたとのことでした。
ミシェル・コースさん(74歳) ミシェルさん(右)にスタッフ(左)からグラスが渡されます。
スイスで安楽(尊厳)死が認められるには ① 死に至る病気であること、② 回復の見込みがないこと、③ 耐えられない苦痛があること、それらを医師が認めることが最低必要条件となっています。その上で本人の確かな意思を確認の上、一杯のグラスが渡されます。
グラスは、前記ディグニタスのスタッフから旅立つ人に渡されます。「本人の意思」を明確にするためであり、障がいなどがない限りスタッフが手を添えることはありません。グラスの薬を飲みほして5分、眠りにおちます。30分後、静かに呼吸が停止します。
ミシェルさんはグラスを受け取ると ためらうことなく飲みほし、2~3分後「目が回ってきたわ」。
ミシェルさんにスタッフが頬を寄せ「さあ 目を閉じて」「これから雲の上に行くのよ」と・・・。ディグニタスによれば、1998年の設立以来7100人が登録、2300人がここで永久の眠りについています。なんとも言葉を失うドキュメントではありました。
「死」についてそれなりに考えてきました。しかし7年前、腎がんを告知されて初めて死をごく身近に意識しました。そして幾度か腎がん友の旅立ちに接し、あるいは再発転移した腎がん友の厳しい闘病に触れるたびに、より身近に感じるところとなっています。
とは言え四六時中そう!なのではありません。術後のCTなど定期検査の結果をきくときなどに限られます。そして、死を考えることが哀しく切ないとばかりは思いません。そうして心を準備し、寧ろ今ある生に十分備えられるのだと、少しやせ我慢しています
白鳥英美子さんのどこまでも澄んだ「Amazing Grace」を!
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【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
橋田さんは92歳、最愛のおつれあいは既に旅立たれました。良く生きなければ!と懸命に仕事され、良く生きてきた!との深い感慨の下、良く死にたいとの心境にある由。余り好きな脚本家ではありませんが、直截で朗らかな物言いに好感をもちました。
「良い死」とは何か・・・。過去も現在も未来も 誰しも例外なく直面する死ではありますが、容易に見つかりますまい。とは言え、健やかに長く生きたい、苦痛のない安らかな最期を迎えたい、自己の尊厳を保つ最期でありたいと、誰しも望んでいることでしょう。
そこに安楽死が求められ尊厳死が望まれます。一方に宗教としての禁忌、法的制約、医の倫理など克服すべき様々な壁があります。勿論!それらは必ずしも悪い壁とは限りません。あって然るべき髙くて厚い堅固な壁であり、寧ろそうあるべきかもしれません。
安楽死が法的に認められている国は僅か8か国、アジア・アフリカにはありません。現旧問わず社会主義の国もありません。スイスを除いては「他国の人」は認められていませんが、そのスイスで既に日本人3人が安らかな尊厳死を迎えられたとのことでした。
ミシェル・コースさん(74歳) ミシェルさん(右)にスタッフ(左)からグラスが渡されます。
スイスで安楽(尊厳)死が認められるには ① 死に至る病気であること、② 回復の見込みがないこと、③ 耐えられない苦痛があること、それらを医師が認めることが最低必要条件となっています。その上で本人の確かな意思を確認の上、一杯のグラスが渡されます。
グラスは、前記ディグニタスのスタッフから旅立つ人に渡されます。「本人の意思」を明確にするためであり、障がいなどがない限りスタッフが手を添えることはありません。グラスの薬を飲みほして5分、眠りにおちます。30分後、静かに呼吸が停止します。
ミシェルさんはグラスを受け取ると ためらうことなく飲みほし、2~3分後「目が回ってきたわ」。
ミシェルさんにスタッフが頬を寄せ「さあ 目を閉じて」「これから雲の上に行くのよ」と・・・。ディグニタスによれば、1998年の設立以来7100人が登録、2300人がここで永久の眠りについています。なんとも言葉を失うドキュメントではありました。
「死」についてそれなりに考えてきました。しかし7年前、腎がんを告知されて初めて死をごく身近に意識しました。そして幾度か腎がん友の旅立ちに接し、あるいは再発転移した腎がん友の厳しい闘病に触れるたびに、より身近に感じるところとなっています。
とは言え四六時中そう!なのではありません。術後のCTなど定期検査の結果をきくときなどに限られます。そして、死を考えることが哀しく切ないとばかりは思いません。そうして心を準備し、寧ろ今ある生に十分備えられるのだと、少しやせ我慢しています
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