NHK朝ドラ 「とと姉ちゃん」。たまに見る程度でしたが、「暮しの手帖」(ドラマでは「あなたの暮し」)が登場するあたりからよく見るようになりました。ものごころつく頃からわが家にいつもあった雑誌でしたから、私も何気に読んでいました。
ドラマの各シーンに、さり気なく 「良き昭和」 の時代観が醸し出されています。ドアの閉め方、服のたたみ方、食卓を囲む光景、人々の言葉遣いなどそれぞれに細やかな演出が光っています。置き忘れたり投げ棄ててきた小さな宝が詰まっています。
表紙は 絵、写真、グラフィックと変わりつつ いつも斬新!
書店に懐かしい「暮しの手帖」が平積みされていました(上左)。「83」「Summer 2016」 と刻されています。かつての表紙ほど印象的ではありませんが、思わず中も見ず買ってしまいました。やはり広告のない分厚い雑誌ながら972円は廉いですね。
創刊第一号
ぱらぱらめくると付録がありました。「美しい暮しの手帖 第一号」 復刻版です(上中)。素晴らしい表紙に見とれました。ドラマにもあった 「直線裁ち」 のデザインが写真付き(下左)、「自分で作れるアクセサリ」 は絵付き(下中)で紹介されています。
花森安治『美しいものは...』
『美しいものは、いつの世でもお金やヒマとは関係がない。みがかれた感覚と、まいにちの暮しへの、しっかりした眼と、そして絶えず努力する手だけが、一番うつくしいものを、いつも作り上げる』。「自分で作れるアクセサリー」に記された言葉です。
※ 上左「直線裁ち」のモデルさんは、朝ドラの主人公のモデルである大橋鎮子さんその人です。
流行を取り入れる前に
「服飾の讀本」 と題した花森安治さんの結構!長い記事も載っています。たとえばスカートの丈について、「流行を取り入れる前に、日本人の體格にはどれくらいの長さが一番美しいか」 を考えてみる大切さについて書いています。これ、1948年の記事です。
サマ変りした日本ですが...
尤も、当時 「大根足」 と評された日本人の脚は、今や様変りしました。(誰でも!ではありませんが)細く長くしなやかな脚、髪を染め街を行き交う光景は、ここはパリ?ミラノ?と思います。花森さんがいま生きていれば「流行」についてどう書かれたでしょうね。
ブルーファイアー
いまドラマは 「商品テスト」 をめぐり展開しています。かつて石油ストーブが流行った頃、我が家は 「ブルーファイアー」 を購入しました。「暮しの手帳」 で高評価された日本製ストーブですが、アラジン 「ブルーフレーム」 のパクリとも言われました。
時代の端境期 曲がり角
そのあたりが、「舶来のパクリ」 から高品質で独創的な日本製品へと変わる境界であったように思います。高度経済成長で、「今日よりきっと良い明日」 を信じられる時代へと変わり、同時に旧い伝統や心、美しい言葉やマナーが棄てられ始めました。
1948年「暮しの手帳」創刊時に流行った ”東京ブギウギ ”
【過去ログ目次一覧】
かんわきゅうだい http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f