わが家にある二つの風景画。左は Ju meiki「ポントワース風景」、もう一つは亡き叔父の「出雲半島風景」。前者はある百貨店の展覧会で妻が「こころ救われ」て手に入れた絵、後者は叔父の形見分けに貰った絵。いずれも思い出深い貴重な作品です。
叔父の絵は、小さい頃から毎日、自宅からも小・中・高校からも見た風景です。この風景も、今はかなり趣が異なりますが、私の郷里の原風景の一つです。叔父から「好きな絵をもって行け」と言われ、ためらいなく選んだ風景画でもあります。
シマジロウが愚息の家からわが家に来て7年余・・・年を追ってかけがえのない存在感を醸しています。人生、否、猫生のすでに半分を過ぎ、お互いに何もかもお見通しです。何もかも見通してなお、お互いの暮らしを眺め、お互いの心を見つめています。
上中の刺繍は母の作です。器用な人ではありませんから、立体感も色彩のメリハリもなく上手とは言えません。それでも額に入れてわが家の二階の廊下に架けています。先月から父と同じグループホームに入り、落ち着いた日々を過ごしています。
このブログは、量的にも質的にも心許ないながら「腎がんのメモリー」を軸としています。その心許なさとは何なのかは兎も角、Simon & Garfunkel「The Sound Of Scilence」を聴き、その深い歌詞に「がん」があることに今にして気づきました。
わが友 それは暗闇 また君と話したくなってここに来た 眠っている間に 不思議な光がそっとしのび寄り その種を置いて行った 僕の脳裏にその光景が埋め込まれた 夢を見ながら 石畳の狭い道を 街燈に照らされ 寒さに思わず襟を立てながら 独り歩いていた その時 僕の眼を射たのは 夜の闇を切り裂くような ネオンの閃光だった
その閃光を浴びながら 僕は沈黙の響きにそっと触れた そして僕は見た 1万人をこえる人々が ともに語り合うでもなく ともに聴きあうでもなく ただ耳を澄ましている光景 そしてそこに音楽が生まれた 誰もがその沈黙の響きを 乱すことはなかった
君達は知らないのだ 沈黙の静けさは がん細胞が増殖するように 世の中にはびこるということを
・・・その言葉は雨粒のように音もなく降り落ち 音なき井戸の中でこだまする 人々は頭を垂れ 自らが造った神に祈っている 一瞬にして形を整え 世を諌める言葉となり 輝き始める 地下鉄の壁にアパートの廊下に その言葉は沈黙の響きとなって 囁かれ駆け巡る
Painted by QP
父は少し前から流動食(ゼリー)も摂取が難しくなりました。適宜、点滴で栄養を補給して貰っています。この夏が越せるだろうかと、姉と話しています。「人生の黄昏」に色彩があるとするなら、淡い黄色の風景ではなく燃える落日であれと思います。
明日から帰省します。そう長くはなりませんが、些か疲れました。休む潮時かなぁと思いました。それでもそう長い休みにはならないと思います。ではでは・・・ご機嫌よう。
【過去ログ目次一覧】
かんわきゅうだい http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f