米原万理さんをご存知でしょうか?
ロシア通で博識の彼女の随筆にはぐいぐい引きこまれます。東欧社会主義の崩壊後、旧ユーゴ各地に旧友を訪ねる彼女のルポがNHKで放映されたので、ご覧になった方もいらっしゃいましょう。がんキャリアの方なら、壮絶ながんとの闘いについても・・・。
赤い血・・・
鳥取県の出身者であれば「日の丸バス」は誰でも知っています。鳥取県有数の地方財閥「米原家」が現在も経営しています。財閥ながら一族からは「左翼」を多く輩出し、米原昶氏(共産党幹部、衆院議員)もその一人、そして米原万理さんは昶氏の長女です。
多彩な?関係・・・
父 昶氏はかつて共産党の国際部に所属、プラハなど海外勤務も多く万理さんも東欧社会主義圏で幼少期の多くを過ごしました。作家 井上ひさしさんの後妻ユリさんは万理さんの実妹、また橋本龍太郎元総理が万理さんに「関係を迫った」なるゴシップも・・・。
「なんのメモリー?」なんて思われるまえに・・・はい、QPの絵で暫く和んでいただきましょう。
いつも猫ばかりなので たまには犬派のみなさんにワンちゃんをプレゼントいたします。
え? 絵? 最後も犬? 絵? なんて言われそうですね。はい、アインシュタインさんの写真です。
旅行者の朝食
なんて長い前置きでしょう。図書館でふと目にした「旅行者の朝食」を読み、その面白さを再認識しご紹介に・・・。エッセイ「旅行者の朝食」は全35話の中の一つですが、これを読むだけで彼女の話のとびきりの巧さ、博識の一端を垣間見ることになります。
ロシア人がみな腹を抱えて笑い転げるおはなし
ある男が森でクマに出くわした。クマは男に尋ねる。「お前さん、何者?」。「私は旅行者ですが」。「いや、旅行者はオレ様だ。お前さんは、旅行者の朝食さ」。ロシア人で知らない者はない話なのだそうですが、なのにみんな腹を抱えて笑い転げるのは なぜ?
※ 文化の相違もありますが、これだけでは面白さはわかりませんね。原文をご覧ください。
ヒトラーは心優しい人だった?
小さい頃、動物が屠殺される場面を目撃したために「鶏」や「豚」などの肉が食べられなくなる人は多いと思います。このエッセイでは万理さんが夜店で買った十数羽のヒヨコが数日のうちに死んで玉子が食べられなく逸話がありますが、その最後の一行は・・・
『心優しく意志の強い人はベジタリアンになるのだろう。ヒトラーもベジタリアンだった』。
図書館の お・も・て・無し?
彼女のたくまざる諷刺・・・心優しい人でもファシストになると言うことかなぁ。それは兎も角、この文庫本の表紙にガッカリしました。下左のとおり、本の「顔」に図書館のラベルがペタリと・・・。他の書にも多く、この図書館の方の脳味噌を見たくなります。
では「腎がんのメモリー」にふさわしい話を・・・。
米原万理さんが「卵巣がん」を告げられたのは2003年10月。転移の疑いがあると診断され、三大療法・・・手術、抗がん剤、放射線療法を奨められます。しかし「ガンと闘うな」の近藤誠氏の影響を受けてそれらを拒否、様々な民間療法などに生命を託しました。
凄まじい闘病の末・・・
彼女は三大療法以外なら何でも!積極的に試します(著書「打ちのめされるようなすごい本」上中参照)。凄まじいまでの闘病記ですが、がんはつぎつぎ増殖転移し2006年5月、彼女は虹を渡りました。享年56歳、もっと!知りたい書き手ではありました。
がんに負けない身体
その一事、一例を以て近藤誠氏を責めるつもりはありません。がんはまだまだ分からない病気ですし、究極「患者の意思、患者の選択」ですから・・・。最新刊の文藝春秋誌にも和田洋己氏(元京大医学部教授)が「がんに負けない身体」(上右)について書いています。
初期で手術しても再発する」例 「末期で手術しないのに長生きする」例
和田氏は、三十数年肺がんの外科手術をされてきた臨床医です。手術・臨床経験をそれ程お持ちと思えない近藤誠氏との大きな相違です。和田氏は「初期で手術しても再発する」例がある一方、「末期で手術しないのに長生きする人がいる」ことに問題意識を・・・。
がんは生活習慣病?
そこから、言わばそうした事実の積み重ねの中から、「がんは生活習慣病」として、「がんに強い身体」に共通する食事など生活習慣についてかなり詳しく語られています。ただ、例外も結果論も多く、科学的な根拠付けに至らない例が多いことも事実です。
セカンドorサードオピニオンとしては・・・
京都(烏丸四条)にクリニックを開業され、相談は1時間1万2500円(健保非適用)の予約制と・・・。相談には医師の紹介状、CT写真や血液検査など医療記録の持参を推奨されています。セカンドorサードオピニオンとしては一考に価すると思います。
きょうも関西は五月晴れでした。旧~い「私の青空」を今風に!
【過去ログ目次一覧】
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
かんわきゅうだい http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
ロシア通で博識の彼女の随筆にはぐいぐい引きこまれます。東欧社会主義の崩壊後、旧ユーゴ各地に旧友を訪ねる彼女のルポがNHKで放映されたので、ご覧になった方もいらっしゃいましょう。がんキャリアの方なら、壮絶ながんとの闘いについても・・・。
赤い血・・・
鳥取県の出身者であれば「日の丸バス」は誰でも知っています。鳥取県有数の地方財閥「米原家」が現在も経営しています。財閥ながら一族からは「左翼」を多く輩出し、米原昶氏(共産党幹部、衆院議員)もその一人、そして米原万理さんは昶氏の長女です。
多彩な?関係・・・
父 昶氏はかつて共産党の国際部に所属、プラハなど海外勤務も多く万理さんも東欧社会主義圏で幼少期の多くを過ごしました。作家 井上ひさしさんの後妻ユリさんは万理さんの実妹、また橋本龍太郎元総理が万理さんに「関係を迫った」なるゴシップも・・・。
「なんのメモリー?」なんて思われるまえに・・・はい、QPの絵で暫く和んでいただきましょう。
いつも猫ばかりなので たまには犬派のみなさんにワンちゃんをプレゼントいたします。
え? 絵? 最後も犬? 絵? なんて言われそうですね。はい、アインシュタインさんの写真です。
旅行者の朝食
なんて長い前置きでしょう。図書館でふと目にした「旅行者の朝食」を読み、その面白さを再認識しご紹介に・・・。エッセイ「旅行者の朝食」は全35話の中の一つですが、これを読むだけで彼女の話のとびきりの巧さ、博識の一端を垣間見ることになります。
ロシア人がみな腹を抱えて笑い転げるおはなし
ある男が森でクマに出くわした。クマは男に尋ねる。「お前さん、何者?」。「私は旅行者ですが」。「いや、旅行者はオレ様だ。お前さんは、旅行者の朝食さ」。ロシア人で知らない者はない話なのだそうですが、なのにみんな腹を抱えて笑い転げるのは なぜ?
※ 文化の相違もありますが、これだけでは面白さはわかりませんね。原文をご覧ください。
ヒトラーは心優しい人だった?
小さい頃、動物が屠殺される場面を目撃したために「鶏」や「豚」などの肉が食べられなくなる人は多いと思います。このエッセイでは万理さんが夜店で買った十数羽のヒヨコが数日のうちに死んで玉子が食べられなく逸話がありますが、その最後の一行は・・・
『心優しく意志の強い人はベジタリアンになるのだろう。ヒトラーもベジタリアンだった』。
図書館の お・も・て・無し?
彼女のたくまざる諷刺・・・心優しい人でもファシストになると言うことかなぁ。それは兎も角、この文庫本の表紙にガッカリしました。下左のとおり、本の「顔」に図書館のラベルがペタリと・・・。他の書にも多く、この図書館の方の脳味噌を見たくなります。
では「腎がんのメモリー」にふさわしい話を・・・。
米原万理さんが「卵巣がん」を告げられたのは2003年10月。転移の疑いがあると診断され、三大療法・・・手術、抗がん剤、放射線療法を奨められます。しかし「ガンと闘うな」の近藤誠氏の影響を受けてそれらを拒否、様々な民間療法などに生命を託しました。
凄まじい闘病の末・・・
彼女は三大療法以外なら何でも!積極的に試します(著書「打ちのめされるようなすごい本」上中参照)。凄まじいまでの闘病記ですが、がんはつぎつぎ増殖転移し2006年5月、彼女は虹を渡りました。享年56歳、もっと!知りたい書き手ではありました。
がんに負けない身体
その一事、一例を以て近藤誠氏を責めるつもりはありません。がんはまだまだ分からない病気ですし、究極「患者の意思、患者の選択」ですから・・・。最新刊の文藝春秋誌にも和田洋己氏(元京大医学部教授)が「がんに負けない身体」(上右)について書いています。
初期で手術しても再発する」例 「末期で手術しないのに長生きする」例
和田氏は、三十数年肺がんの外科手術をされてきた臨床医です。手術・臨床経験をそれ程お持ちと思えない近藤誠氏との大きな相違です。和田氏は「初期で手術しても再発する」例がある一方、「末期で手術しないのに長生きする人がいる」ことに問題意識を・・・。
がんは生活習慣病?
そこから、言わばそうした事実の積み重ねの中から、「がんは生活習慣病」として、「がんに強い身体」に共通する食事など生活習慣についてかなり詳しく語られています。ただ、例外も結果論も多く、科学的な根拠付けに至らない例が多いことも事実です。
セカンドorサードオピニオンとしては・・・
京都(烏丸四条)にクリニックを開業され、相談は1時間1万2500円(健保非適用)の予約制と・・・。相談には医師の紹介状、CT写真や血液検査など医療記録の持参を推奨されています。セカンドorサードオピニオンとしては一考に価すると思います。
きょうも関西は五月晴れでした。旧~い「私の青空」を今風に!
【過去ログ目次一覧】
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
かんわきゅうだい http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f