野坂昭如氏が亡くなられた。主人よりふたまわりほど年長、団塊の世代のもう一つ前「焼け跡闇市」世代である。主人には左程の思い入れはあるまいと思っていた。が、見ると訃報に目をおとし黙している。主人にそれなりに影響を与えたのであろうか・・・。
マリリンモンロー ノーリターン
『男と女の真実の歌を歌います』。主人の学生時代、コンパで先輩が歌った「黒の舟唄」に『撃たれたようにしばらく座が静まりかえった』由。今は誰でもCDを出すが、歌手でもない者がレコードを出すハシリとなったのが、野坂昭如「マリリンモンロー ノーリターン」。そのB面の「黒の舟唄」がヒットし、以後様々な歌手にカヴァーされた。
焼跡闇市派 中年御三家
主人曰く『野坂昭如の小説は嫌いだ』。「焼跡闇市派」と称することも永六輔・小沢昭一氏らと「中年御三家」と称し武道館でコンサートをやったことも、参院議員になったり田中角栄氏の選挙区に出馬したりも『小説がダメになったからそんな話題をとり誤魔化している』と。『まあ日本の政治のポピュリズム化のハシリでもあった」とボロクソだ。
脳梗塞で倒れてから・・・
その野坂氏が2003年に脳梗塞で倒れてから主人の野坂昭如観が変わった。リハビリに励み再びペンを執るも、かつてのように新聞・TVに顔を晒すことはなくなった。ラジオで近況や時事問題ついて発言したが、それは「手紙」として永六輔氏によって読まれたものだった。パフォーマンスやスタンドプレーを嫌悪する主人のお眼鏡に叶ったようだ(笑)
ダンディズム
ラグビーに燃えラガーシャツを如何にもそれらしく着こなした。トレンチコートの襟の立て方もベルトの結び方もなかなかよく似合った。そんな野坂氏を『憎い!ヤツや」と思っていた主人だが、やはりそのダンディズムには「まいった」と結構!負けっぷりが潔かったのは、彼のダンディズムが最も際立つ反原発!反戦!護憲!のスピリットに拠る。
振り返るな Row Row・・・
「黒の舟唄」は野坂氏の作詞と間違われるが、彼ではない。しかし作詞家が野坂氏の傍らでいつもその考え方、生き様を作詞に映してきたとの挿話を踏まえれば、野坂氏の作詞と言えなくはない。『男と女の間には 深くて暗い川がある 誰も渡れぬ川なれど エンヤコラ今夜も舟を出す Row and Row Row and Row 振り返るな Row Row・・・』。
長谷川きよし ではなく敢えて 加藤登紀子で「黒の舟唄」を・・・。
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
かんわきゅうだい http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0