サッカー「文化」
JリーグのCS(ガンバ:サンフレッチェ)。ガンバの選手に出されたレッドカードをめぐって友人が立腹していました。倒れた選手に「役者なみの演技(芸?)」「審判がそれを見抜けなかった」。倒れた演技をした相手の選手を「ぜったいに許さない」とも・・・。
改めてその場面の録画を見て、友人が怒るのは無理もないと思いました。しかしサッカーというスポーツでは「芸も技」の一つ、サッカーの「文化」のようです。それも愉しみ方の一つと考えるべきなのでしょう。が、果たしてそれでほんとうに愉しめるのでしょうか?
なるほどルールとしてシミュレーション(相手ファウルを装う)というペナルティはあります。しかし審判がそれを見抜けなければ「芸を演じたものの技」と評価されます。サッカーというスポーツを下品なもの、美しくないものにしている所以だと、私は思います。
スポーツに限りません。芸術も含めてフェアプレー精神はプレイヤー・レフェリー・ギャラリーに同等に求められます。見られ評されるのはプレイヤー・レフェリー・ギャラリーみな同等です。当然、そこに不審があれば批判はタブーであってはなりますまい。
戯曲賞選考における・・・熱!
文学賞の類は結構たくさんあります。しかし芥川賞・直木賞ほどのメジャーな賞でも、芸人の受賞などと言った話題性がなければすぐ忘れられてしまいます。況や「戯曲賞」に至ってはろくに新聞報道もされず、賞をとっても即ブレイク!にはつながりますまい。
知る人ぞ知る或る戯曲賞。最終選考に残った11作(応募数50余)について、劇作家・演出家など5人の選考委員による午前から夕刻に至るタフな選考会を垣間見ました。選考後すぐ入賞2作の授賞式、さらに選考委員全員が出席した公開選評会が行われました。
選考委員から、各々が推した作品、推さなかった作品について赤裸々なコメントがありました。選考会のつづきのような激論も交わされました。当然、選考経過、選考理由が誰の目にも明らかになる公開選評でしたし、その後の懇親会にも持ちこされていました。
小さなホールをぎっしり埋めたおよそ100人は総て演劇関係者と見ました。選考委員が「これ、書いた人、来てますか?」と言うと殆ど手が上がりました。時に立ちあがって烈しく持論を語る選考委員もいて、賞を逸した書き手も納得!であったことでしょう。
演劇人がこれほど熱く、時に狂気さえ感じる気迫を醸すことに驚きました。入賞作しか読んでいませんが、一作読み通すのに1~2時間かかります。書いた人のエネルギーは勿論、読みこみ選ぶ人のエネルギーもまた凄まじいものがあったと言わなければなりません。
庭にわずかに残る草花 この時期には貴重に思えます。
コンクールにおけるレフェリング
一方、ある音楽関係のコンクールでは出場者(団体)を指導する人がしばしば審査員に名を連ねています。審査結果は2~3日後に発表され、選評はかなり後になって文書で出場者に伝えられます。総評は公開されますが、個々の講評はそれぞれ個別に届けられます。
選考委員毎に記された講評を何度か見ました。成程!の評もあれば、「とおりいっぺん」の評、何を言いたいのかわからない評もあります。当然、厳しい評もあれば優しく励ます評もあります。残念なことに総じて審査員の個性(独創性)と熱!が届いて参りません。
昨年、絵画や書道の全国的な権威のある賞で、権威に拠りかかった選考が行われていたことが報道で明るみに出ました。比較的大らかだとされるスポーツ界でも、かつてのフィギュアスケート・体操など「人の心象」による審査では身びいきが問題視されました。
レフェリングは・・・論ずるべし
スポーツにおけるレフェリング批判は「アン・フェアだ」「潔くない」「大人気ない」と言われます。しかし人間の目を補うべくラグビー・野球・テニス・レスリング・相撲などで広く録画判定が採用され、レフェリングの公正性が担保されるようになりました。
私は、芸術でもスポーツでもレフェリングを「評価の対象」にすべきだと思っています。結果が総てではなくとも、「選考」に向け結果を求めて競います。選考における大きな要素を占めるレフェリングを「論じない」とは、如何にも不自然かつ不愉快なタブーです。
権威にあぐらをかく世界は、権威に媚びる人々あるいは権威に弱い人々によって支えられています。「レフェリングを論じることは神学論争に等しい」との伝統的な考え方もあります。しかしそれこそレフェリングを神の領域に押し上げる議論に他なりますまい。
北国ではもうこんな光景でしょうか・・・ 晩秋~初冬の夜空 心が澄み冴えてきます by QP
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