日本の食糧自給率は39%! いくら軍備を増やしても兵糧攻めされます。ちなみに豪州の自給率は173%、米国124%、ドイツ80%、韓国50%。ちなみにちなみに半世紀前の日本の自給率は70%余、ちなみにちなみに… 私の住む大阪府の食糧自給率たるや な~んと1%!です。
田植えから1週間余たち苗も少し成長したわが市の水田の風景。
食糧自給率1%の大阪府下ながら、わが市は郊外に田園が広がり 田植えが終わった水田に苗が揺れる風景はとても美しいです。にもかかわらず しばしば和知(京都府)へと向かうのは 郷里鳥取で過ごした人生の僅か4分の1の "田舎暮らし" へのノスタルジーゆえ!でしょうか。
市内を北から南に流れる芥川…田畑の貴重な水源で "カワセミ" も棲んでいます。
さて、私はちょうど10年前の6/8「腎臓がん」を告知されました。7/27 手術、8/10 退院、8/17 職場復帰 … 8/30 病理結果により退職決意 、12/26 退職。今年3月「術後10年検診」をクリアーし "腎がんを卒業" しました。が、未だ「がん」には頭も心も即!反応します。
私が手術した当時、G3(悪性度マックス)の腎がんの5年生存率は数%でした。"稀少がん" のためデータが少なかったことのほか、末期まで自覚症状が出ないこともその背景にありました。しかし今やがん検診が進み初期で発見される腎がんが増え生存率も一変しました。
和知の自然食レストラン "菓歩菓歩" 三密避けテラスにて… 10年前 手術前日もここでランチ。
「ヒューマニエンス」というTV番組をご存じですか? “Human(人間)” と ”Science(科学)” をミックスした造語。番組進行はあの!井上あさひアナウンサーと俳優 織田裕二さん。有名人に限らず世間的には無名ながら その道!の知る人ぞ知る方を招きテーマを深めます。
今回は 「がん…それは宿命との闘い」。前立腺がんサバイバーでジャンルを超える幅広い演出家 宮本亞門さん、 分子腫瘍学の藤田恭之さん(京大医学部)、基礎腫瘍学の大木理恵子さん(国立がん研究センター)を招き "眼からウロコ" のお話をたっぷり聞かせていただきました。
番組の中で『がんは悪くない病気だ。突然!何の準備もなく死を迎えるのではなく、余命を知らされ
為すべき準備をする時間を頂けるから…』と。がんを経験した私もそう思います。
この番組をご覧になるとがん経験の有無にかかわらず がんに対するイメージが一変!します。
再放送されればぜひご覧ください。
左から … 宮本亞門さん 藤田恭之さん 織田裕二さん 井上あさひさん
人間の躰には※37兆個の細胞があり、各々の細胞が決められた役割をこなし秩序を保つことで人体は “生きて” います。その秩序を破壊するのが がん細胞。がん細胞に “死” はありません。勝手気儘に増殖し続けるその無限の増殖力を支えているのが "がん遺伝子" です。
※「60兆個」との説もありますが、「37兆個」が有力!とされています。
がん遺伝子は総ての人体に生まれながらに備わっています。1976年、息子が生れた翌年に発見されました。当時 がんは未だ "不治の病" ゆえ告知しないのが一般的でした。それから三十数年後… 私ががんに罹った時はいともあっさり「がんです」と告げられたのですが…。
※ 腎がんで入院中、息子から電話で「研究所を辞め医学部に入り直す」との電話がありました。
「分子レベルではなく固体としてのがんに挑む」と。父子とも がんに縁があった!のかなぁ。
がん細胞は 死なない!永久に増殖しつづける! そんな不死身のがん細胞に、研究者は "夢の細胞" と惹かれる由。番組に登場された藤田恭之さんもその一人。がん細胞の奥深さに憑りつかれ、がんについて語られるときの「嬉しくてしょうがない」表情が印象的でした。
"死なないがん細胞" がある一方、新たな生命を生むのが "受精" 行為。精子が卵子にチャレンジし "選ばれた精子" が卵子に入る... と学びましたが、実はそこにウブな精子を上手に卵子に導くやり手の産婆さんがいることがわかりました。それが がん遺伝子 "サーク" です。
下のモコモコは卵子。黄色のマークは がん遺伝子 "サーク" が開いた卵子へのルート!
人体と生命に欠かせない がん遺伝子の特長は "増殖アクセル" の働きで、傷を負っても自然に治癒する(創傷治癒)のも 損傷した箇所に細胞を増殖(移転・置換)させるのも がん遺伝子。逆に がん遺伝子に変異が起きると がん細胞を異常に増殖させます。まるで二重人格!
細胞は刻々!新陳代謝されます。代謝すなわちコピー!で 確率的に25,000に100~200のコピーミスが生じます。「まったく同じものをコピーすれば何かに攻撃され一斉にダメになる」可能性があり、これを未然に防ぐ機能でもあります。なんて素晴らしい安全保障!
しかしそう単純に喜んでもいられません。コピーミスによりいびつに変異した遺伝子は がん細胞を異常増殖させるのですから。そこで登場するのが増殖にブレーキをかける遺伝子。アクセルとブレーキの絶妙のバランスで人体の平和・安全・繁栄が保障されています。
がん細胞が暴走し増殖すると「細胞の適正密度」が保てなくなります。これを感知し抑制する(ブレーキをかける)遺伝子 … "P53" "RB" " LMH1" などが発見されています。これらが異常増殖するがん細胞を細胞間のネットワークで感知、抑制、(DNAを)修復に働いています。
人間の身体では毎日!数千~数万のがん予備軍が発生しています。予備軍すなわちチョイ悪の細胞もやがて極悪な細胞へと変貌します。これら悪者を正常な細胞が連携して取り囲んではチョイ!チョイ!と突き、遂には封殺・排除するところをカメラが捉えています。
(左) 整然と並ぶ正常細胞にポコっとできたがん細胞 (右) がん細胞(赤)を正常細胞(緑)が包囲・排除!
こうした悪者退治を「細胞競合」というのだそうです。一見すると『空気を読んだ多勢が少数の、しかし放置すると巨悪に進化する変わり者をイジメ 抹殺する』光景に映ります(笑) そう思うと がん細胞がなんだか可哀想に思えてきますが… 同情は許されまセーヌ河!
がん化を防ぐ免疫細胞は「腸」に存在します。腸の絨毛(ヒダヒダ突起)に無数に存在し、食糧等に混じり侵入する異物を選別・抹殺します。免疫細胞のほか、腸内の善玉細菌のネットワークも異物を感知、脳に信号を伝え異物への攻撃を始めます。腸って超!頼もしい。
それにしても井上あさひさん ここにいらっしゃったのですね。科学番組は敬遠されがちでも、NHKの真骨頂は科学とドキュメント(とりわけ国内より海外!)。あさひさんの知的で初々しく優しさあふれる司会進行をご堪能ください。私も超!堪能したいと存じます。
チャイコフスキー「四季」より 六月 "舟唄" やさしく静かなメロディは しかし劇的でもあり…
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c
田植えから1週間余たち苗も少し成長したわが市の水田の風景。
食糧自給率1%の大阪府下ながら、わが市は郊外に田園が広がり 田植えが終わった水田に苗が揺れる風景はとても美しいです。にもかかわらず しばしば和知(京都府)へと向かうのは 郷里鳥取で過ごした人生の僅か4分の1の "田舎暮らし" へのノスタルジーゆえ!でしょうか。
市内を北から南に流れる芥川…田畑の貴重な水源で "カワセミ" も棲んでいます。
さて、私はちょうど10年前の6/8「腎臓がん」を告知されました。7/27 手術、8/10 退院、8/17 職場復帰 … 8/30 病理結果により退職決意 、12/26 退職。今年3月「術後10年検診」をクリアーし "腎がんを卒業" しました。が、未だ「がん」には頭も心も即!反応します。
私が手術した当時、G3(悪性度マックス)の腎がんの5年生存率は数%でした。"稀少がん" のためデータが少なかったことのほか、末期まで自覚症状が出ないこともその背景にありました。しかし今やがん検診が進み初期で発見される腎がんが増え生存率も一変しました。
和知の自然食レストラン "菓歩菓歩" 三密避けテラスにて… 10年前 手術前日もここでランチ。
「ヒューマニエンス」というTV番組をご存じですか? “Human(人間)” と ”Science(科学)” をミックスした造語。番組進行はあの!井上あさひアナウンサーと俳優 織田裕二さん。有名人に限らず世間的には無名ながら その道!の知る人ぞ知る方を招きテーマを深めます。
今回は 「がん…それは宿命との闘い」。前立腺がんサバイバーでジャンルを超える幅広い演出家 宮本亞門さん、 分子腫瘍学の藤田恭之さん(京大医学部)、基礎腫瘍学の大木理恵子さん(国立がん研究センター)を招き "眼からウロコ" のお話をたっぷり聞かせていただきました。
番組の中で『がんは悪くない病気だ。突然!何の準備もなく死を迎えるのではなく、余命を知らされ
為すべき準備をする時間を頂けるから…』と。がんを経験した私もそう思います。
この番組をご覧になるとがん経験の有無にかかわらず がんに対するイメージが一変!します。
再放送されればぜひご覧ください。
左から … 宮本亞門さん 藤田恭之さん 織田裕二さん 井上あさひさん
人間の躰には※37兆個の細胞があり、各々の細胞が決められた役割をこなし秩序を保つことで人体は “生きて” います。その秩序を破壊するのが がん細胞。がん細胞に “死” はありません。勝手気儘に増殖し続けるその無限の増殖力を支えているのが "がん遺伝子" です。
※「60兆個」との説もありますが、「37兆個」が有力!とされています。
がん遺伝子は総ての人体に生まれながらに備わっています。1976年、息子が生れた翌年に発見されました。当時 がんは未だ "不治の病" ゆえ告知しないのが一般的でした。それから三十数年後… 私ががんに罹った時はいともあっさり「がんです」と告げられたのですが…。
※ 腎がんで入院中、息子から電話で「研究所を辞め医学部に入り直す」との電話がありました。
「分子レベルではなく固体としてのがんに挑む」と。父子とも がんに縁があった!のかなぁ。
がん細胞は 死なない!永久に増殖しつづける! そんな不死身のがん細胞に、研究者は "夢の細胞" と惹かれる由。番組に登場された藤田恭之さんもその一人。がん細胞の奥深さに憑りつかれ、がんについて語られるときの「嬉しくてしょうがない」表情が印象的でした。
"死なないがん細胞" がある一方、新たな生命を生むのが "受精" 行為。精子が卵子にチャレンジし "選ばれた精子" が卵子に入る... と学びましたが、実はそこにウブな精子を上手に卵子に導くやり手の産婆さんがいることがわかりました。それが がん遺伝子 "サーク" です。
下のモコモコは卵子。黄色のマークは がん遺伝子 "サーク" が開いた卵子へのルート!
人体と生命に欠かせない がん遺伝子の特長は "増殖アクセル" の働きで、傷を負っても自然に治癒する(創傷治癒)のも 損傷した箇所に細胞を増殖(移転・置換)させるのも がん遺伝子。逆に がん遺伝子に変異が起きると がん細胞を異常に増殖させます。まるで二重人格!
細胞は刻々!新陳代謝されます。代謝すなわちコピー!で 確率的に25,000に100~200のコピーミスが生じます。「まったく同じものをコピーすれば何かに攻撃され一斉にダメになる」可能性があり、これを未然に防ぐ機能でもあります。なんて素晴らしい安全保障!
しかしそう単純に喜んでもいられません。コピーミスによりいびつに変異した遺伝子は がん細胞を異常増殖させるのですから。そこで登場するのが増殖にブレーキをかける遺伝子。アクセルとブレーキの絶妙のバランスで人体の平和・安全・繁栄が保障されています。
がん細胞が暴走し増殖すると「細胞の適正密度」が保てなくなります。これを感知し抑制する(ブレーキをかける)遺伝子 … "P53" "RB" " LMH1" などが発見されています。これらが異常増殖するがん細胞を細胞間のネットワークで感知、抑制、(DNAを)修復に働いています。
人間の身体では毎日!数千~数万のがん予備軍が発生しています。予備軍すなわちチョイ悪の細胞もやがて極悪な細胞へと変貌します。これら悪者を正常な細胞が連携して取り囲んではチョイ!チョイ!と突き、遂には封殺・排除するところをカメラが捉えています。
(左) 整然と並ぶ正常細胞にポコっとできたがん細胞 (右) がん細胞(赤)を正常細胞(緑)が包囲・排除!
こうした悪者退治を「細胞競合」というのだそうです。一見すると『空気を読んだ多勢が少数の、しかし放置すると巨悪に進化する変わり者をイジメ 抹殺する』光景に映ります(笑) そう思うと がん細胞がなんだか可哀想に思えてきますが… 同情は許されまセーヌ河!
がん化を防ぐ免疫細胞は「腸」に存在します。腸の絨毛(ヒダヒダ突起)に無数に存在し、食糧等に混じり侵入する異物を選別・抹殺します。免疫細胞のほか、腸内の善玉細菌のネットワークも異物を感知、脳に信号を伝え異物への攻撃を始めます。腸って超!頼もしい。
それにしても井上あさひさん ここにいらっしゃったのですね。科学番組は敬遠されがちでも、NHKの真骨頂は科学とドキュメント(とりわけ国内より海外!)。あさひさんの知的で初々しく優しさあふれる司会進行をご堪能ください。私も超!堪能したいと存じます。
チャイコフスキー「四季」より 六月 "舟唄" やさしく静かなメロディは しかし劇的でもあり…
【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c