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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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文筆家の語る断片より

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 朝日新聞の「語る~人生の贈りもの~」。つぎつぎ著名な文筆家が登場するシリーズです。「書く」のではなく『語る』すなわち 記者が聴き取り綴ります。その分!「文筆家らしい文章へのこだわり」が薄れ、生! あるいは 素!の 人物像が浮き彫りになります。


                     きょうの夕空 やっぱり秋やなぁと・・・。

 谷川俊太郎さん。いつも斬新でカッコ良く「詩」につきまとう歯の浮くような印象を払拭させた詩人。叶うわけないのに「叶わないなぁ」と思っています。ナリ(外見)はカッコ良くみえませんが、ご本人が「背が低く不格好」を自認されては、脱帽であります。

 女性を好きになるのは世の男性の習性として、谷川俊太郎さんがこれでもか!と女性に惚れるのには半ばあきれ半ば羨ましく思います。当然!おつれあいもつぎつぎ替ります。有名で語りの達者な詩人が「谷川俊太郎です」と手を差し出せば、そりゃあね・・・。



 谷川さんは今は一人暮らしの由。恋愛しているか否かは「コンフィデンシャル(機密)ってやつです」と。意外なのは女性関係!だけではありません。「僕は詩は小商いの世界だと思っています」。小商いとは控え目ですが、なかなかのエンタテイナーではあります。

 「生きている」ことについて、茨木のり子に捧げた詩の最終連にさりげなく「明日を夢見ることを許された一日の終わりに」と記します。明日を夢見ることができなくなれば明日は生きてはいない・・・到底かなわない!谷川俊太郎の谷川俊太郎たる所以でしょうか。

   「いまここにいないあなたに」  谷川俊太郎
  いまここにいないあなた / でもいまもそこにいるあなた
  たとえすがたはみえなくても / おなじひとつのたいようにまもられ
  おなじふかいよるをゆめみて / おなじこのほしにつかのまいきる あなた
  あなたとことばで であいたいから / わたしはかたる かたりきれないかなしみを
  わたしはかく ことばをこえるよろこびを


        デュランタ・・・藤色の花が多いそうですが、白い可憐な花です(和知山野草苑にて)

 五木寛之さんは自らの半生を「悪行に悪行を重ね・・・」と仰っています。そうでなければ戦後、満州からの引揚げはじめ「生き残ることはできなかった」と。満州で一家がロシア兵に襲われた出来事※・・・TVで「初めて語る」と仰ったことには触れませんでした。
      ※ https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/d2140c66fe0ef23a9c308becbadf3e97

 二番煎じでも語るに足る出来事であり「敗戦」を象徴する事件ですが、一切触れませんでした(語るのが辛かったのではなく流行作家のプライドかと・・・)。最近、某有名落語家が同じ年の同じ舞台で語ったネタを(落語の「題目」ではありません)また語ったのと好対照でした。



 五木さんは『闘病という言葉は好きになれません』とした上で、こう語っています。
 『運命に身を委ねるということは、為すがままにして病に敗けるということではありません。勝ちとか負けるとかを超越した考え方だと思います』『病気と闘い、病気をやっつける。そうではなく、病んでいる細胞をなんとか応援して立ち直らせる。こういう考え方のほうが寧ろ医学としては本筋ではないかと、考えることがあります』『同様に、老いと闘うと言えば、老いることが悪になってしまいます。老いに身を任せ立派に老いていくということのほうが寧ろ人間らしいのではないかと思います』

 以下は「がん細胞の悲しみ」より。ノーベル賞の本庶さんが語られているような内容ですが、数年前に刊行された「生かされる命をみつめて」に収録されています。 
 『人間の細胞というのは人間の体を支えて働いている。でも一所懸命働いて酷使されて、細胞も老いて行く。傷つく細胞も出てくる』『老いたり傷ついたりして仕事ができなくなった細胞が出てくると、今度は周りの細胞の中に老いたり傷ついたりした細胞の分まで頑張らなきゃという細胞が出てくると思うのです』『そういう善意の細胞は、それこそもうフル回転して全力で頑張る。そして余りに夢中で全力で疾走し過ぎた結果、止まらなくなってしまい、いわば無限の増殖を続けるようになって、ブレーキがきかなくなる。それがひょっとしてがん細胞というものではないだろうかと思うのです』

 少し長いのですが(34分)辻井伸行さんの心ふるえる渾身のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」



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