経済猫論「株式市況事始」
人間の考えていることはわからん。とりわけ「経済」なるものはようわからん。例えば、週末の株式市場で「日経平均が755円上がり1万6千円台を回復した」とか、円安が進み「3円の円安となり1ドルが112円になった」とか・・・。で、主人に、株価はどうやって決まるのか?訊いてみた。
「教教科書的にはやなぁ・・・」と勿体ぶって並べたのが、①資産価値説=総資産と総負債の差を発行株数で割った1株の価値 ②業界の将来性=今後成長が見込める業界かどうかの付加価値 ③会社の将来性=有力な特許の有無などの付加価値。最後に「まぁそれは建前。最大の要素は・・・」。
要するに、買い!が多いと株価は上がり、売り!が多いと下がる。だから思惑や噂でも株価は上下する。風が吹けば桶屋が儲かる式に、国の高官のメッセージ一つを読み繋いで上下することも珍しくない。また買い時や売り時のタイミングは情報の確度と速度が決定的に重要だと・・・。
そこまでわかっていて・・・欲に目が眩む?
どうやら株価と生産や経済の実態はイコールではないらしい。また情報に関してはそこらの市民では到底かなわないこともわかった。わからんのは、そんなわけわからん世界に、そこらの市民がなんでナケナシのお金を注ぐのか?と言うことだ。欲に目が眩んで!と言えばそれ迄だが・・・。
主人もかつて某航空株を持っていた。株主優待券に魅かれて買っただけだが、バブルであれよあれよと上がった。そんな時、恐慌論の某先生の講演を聴く機会があり、「理屈にあわない(実体を超えた)株価や経済は恐慌によってリセットされる」と。主人、その言葉に素直に頷いたそうだ。
主人は、1株400円で買ったのだが、それから4~5年たって買値の5倍になっていた。「これはやっぱりおかしい」と思っていたところで聴いた講演だった。主人にあわせて主人の父親もその株をもっていたのだが、主人が「売る」と決めると「ワシも・・・」と、一緒に全株きっぱり売ったそうだ。
ブルーマンデー襲来も・・・
それから数週間後、例のブルーマンデーが襲った。いわゆるストップ安!で、きちんと値がつかないまま下がりつづけ、主人が買った当時の株価まで下がった。言わば主人もその父親も「高値で売り抜け」た超!ラッキーな人であった。だからこの話をしている時の主人、得意満面であった。
よせばいいのに投資信託・・・リーマンショック!
以来、退職するまで二度と投資に手を出さなかった主人は偉かった。が、退職金を貰うと、銀行定期の金利はゼロに近い。退職後も引続き職務に就くので、言わば退職金は浮き金、定期よりマシ!と投資信託に。が、数か月もたたぬ間にあのリーマンショックに襲われたのだった。
アッ!と言う間に半分近くまで値が下がった。取り戻そうしなかったのは賢明で、それから6年近くたった今春、買った時の水準には至らぬまでも「耐えられる程度の損に戻った」と、処分した。それから更に回復した現在に処分していれば、少し利益も出ただろう。が、それは結果論である。
国民の年金財源を? 日銀が国債を買う?
これはまだ個人のこと、自業自得の世界である。しかし株式市況を維持するために! インフレ目標を達成するために! 円安をリードして輸出企業の利益を維持するために!・・・国民に将来支給する年金財源を使ったり、市場の国債を日銀が紙幣を印刷して買い取っていいものだろうか。
それが破綻すれば年金の支給額を減らすほかない。国庫の損失分は増税で賄うほかない。それでもなお行き詰まれば、またまた日銀が紙幣を印刷して支払いに充てる。当然!それに応じてインフレになる(貨幣の価値が下落する)。10%のインフレとは収入が10%下がるに等しいのだ。
国破れて山河あり?
最後に一昨日の1日で3円の円安。余裕があって1千万円をドル預金した人は1日で30万円も財産が増え結構なことだ。輸出企業も空前の利益を稼ぐ。が、「国破れて山河あり」ではないが、トク!した人もソン!した人も国が破綻すればみ~んないっぺんにぽしゃる。猫に言われたくないやろけど・・・。
【秋の空 美しいけど、なんだか心がポッカリと・・・】
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