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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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日野原重明「新:生きかた上手」(腎がんのメモリー41)

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             いつになく雨の多い夏も 終わりの始まりか・・・ Painted by QP

 小2の孫娘がわが家にきて2週間余。愚息が仕事で遠隔地に3週間余派遣されることになり、同じ時期に愚息のお嫁さんの手術・入院が重なったためわが家に下宿した孫娘、遊びたい盛りに山のような夏休みの宿題・・・ジジババは疲労困憊のきわみです。

 
     孫娘と行った(宿題の一環?の)「日吉ダム」「ひよし温泉プール」
        ※ 日吉ダム(京都府南丹市)・・・高樹のぶ子の小説「満水子」の舞台となったダム

 その孫娘と「読書10冊」の宿題のために図書館へ行きました。孫娘は妻に任せ(押付け)私は自分の本選びに・・・。「生き方について」まとめられたコーナーがあり、いつもは無視するのですが、日野原重明著 「新:生きかた上手」 に目がとまり借りてきました。



 冒頭の詩「愛といのち」に日野原さんの医師たる決意が・・・
『豊かすぎる国に住む人は/貧しい国で飢えている人が見えない/病んだことのない人には/病む人の心の痛みは感じられない/愛といのちの二つは/愛する人を亡くした人/貧しく生きている人/そして病む人にこそ切に感じられる/愛を感じられる人になろう/いのちを感じられる人になろう/そのためには愛を失くした人や病む人の友となろう』

 「生活習慣病」と名付けたのは・・・
 「成人病」というジャンルは本来「老人病」です。しかし「老人病の検診を!」と言ってもソッポをむかれるため「成人病」と命名されました。そして成人病は発症のはるか以前の生活習慣に由来すると喝破し 「生活習慣病」 と命名したのが日野原さんでした。

 「生き方そのものが医療」 の日野原さん
 『自分のことだけを思い自分のためだけに行動した時よりも、自分が他から必要とされている中に素直にわが身を用いた時のほうが喜びは遥かに大きい・・・自分の時間を人のために用いれば自分もまた豊かな喜びが与えられ・・・自分を信じる力となる』

 Grief Care(グリーフ・ケア)・・・ 悲嘆を超えるとき人は成長する
 『グリーフ・ケアは悲しみを忘れさせたり悲しみから目を逸らすためのものではありません。悲しみをその人自身しっかり受けとめて過ごすことをサポートするものです。なぜなら悲しみを身に受けることく悲しみから立直ることはできないからです・・・悲嘆を乗り超えたとき、私達に成長が約束されます。悲嘆の意味を私達が知るのは、その時です』

 出会いの経験から私達は成長する
 『大切な出会いが、明日来ても1時間後に来ても或いは数十年後に来てもいいように、いつでも謙虚に忍耐強く地道に用意して待ち受けていられる人は、先々に訪れるどんな出会いも上手に受けとめ、自身の人生で深めることでしょう・・・今までの出会いの総てが力となってその人をしっかり支え・・・最後には死をも受容できる平静な心を用意されるのです』

 医療は科学に支えられたアート
 『医療は進歩し続けます。しかしどれほど進歩しても、いのちというものはいまだ有限です。ですから医療は、科学技術を駆使するだけでなく病が進行する中でも病む身の中にある心を支え励ますものでなくてはなりません。表情、動作の一つ一つに温かい愛おしみの心を伝える表現が出来てこそ医療は科学に支えられたアートになることができます』

 Involvement(かかわり合い) ・・・ 他者とどのように関わるか
 『Involvementについて今村新吉博士は“慈心相向”と訳されました。慈しみの心をもって相向かい合うとは、医師が患者さんと同じ目線で向き合い、患者さんの心の奥深くにまで分け入り、その訴えに耳を澄ます姿勢です。患者さんが抱える痛みや不安は、医師が上から見下ろすように患者さんを診ている限り、その一端にさえ触れることは出来ません』



 すべてが患者さん本位の聖路加国際病院
 22年前の地下鉄サリン事件。一番多くの患者さんが搬送されたのが日野原さんが院長だった聖路加国際病院です。リニューアルに際し病院の廊下を広くし、多数の酸素吸入器を置くなど大災害への備えがとられていました。全520床すべてトイレ・シャワーor浴室付の個室であるのも患者さん本位ゆえです(半数が差額ベッド代のいらない保険適用)。

 Persevere(堅忍) ・・・ 忍耐することにこそ人生の大きな意味がある
 堅忍とは「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」とのキリストの教えであり、患者を英語で「Patient」と言うのは、「忍耐する人」の意でもあります。日野原さんは記します。
 『病は、病を抱える当人だけでなく見守る家族、医師・ナースにも一つの試練です。いつか病の癒える日を信じつつ各々忍耐の中に最善を尽くし“今”を生きるべきなのです』

 愚息は三十代半ばに、家族の反対を押切り勤め(製薬の研究員)を辞めて医学に転進しました。現在研修医2年目、医療の様々な現場を経験しつつ来年は専門医の領域に進みます。臨床のどの分野であれ、日野原さんに学び精進してほしいと、心から願っています。

  吉田拓郎「夏休み」


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