動揺メールとCD受取り
先日、或るメールが届いてからというもの、主人はかなり動揺している。PCに向かってぶつぶつ言いながら何やら書いていると、細君から「郵便が来てますよぉ~」。やや厚めの封筒を見ながら「この字は〇〇〇〇やな」と呟いたとおり、主人の旧友からのCDが同封されていた。気分転換にすぐ聴くのかな?と思ったら、主人そのまま抽斗にしまい、引続きPCで先刻来のメールに向かった。
泣きが入る主人 漸くCDを聴く
主人の呟きから、或る件について学生時代の先輩に訊ねたメールに対し、主人にはかなり心外な返信があったようだ。「それはないでしょ!」とか、「それは曲解というもんやで!」とか、遂には「カンベンしてくださいよ、そんなこと言うてまへんやん」などと泣き!が入っている。ひととおりボヤき、ひととおり返信して漸く先刻の8曲が収録されたCDを取り出し、カバーを眺めはじめた。
吾輩には 格別のインパクト無し
CDのタイトルは『聴きたい歌が無いッ/自分らで歌つくってん!』。曲の一つにその旧友の名がある。タイトルからかなり斬新な歌だと期待できる。主人、「おぉ、えぇやんか!」と聴いている。が、いっしょに聴いた吾輩としては、まことに僭越ながら「まぁまぁですな」の感想であった。主人には旧友への思い入れがあるか知らんが、贔屓目(耳)のない吾輩には格別のインパクトはなかった。
主人の旧友が作詞した『だあれもいない』
収録された8曲のタイトルは 1.『天空の夢』 2.『スタンダード・ナンバー~あの頃に戻って~』 3.『月ひとつ』 4.『キセキのタイミング』 5.『だあれもいない』 6.『どうもならない・・・感覚』 7.『居酒屋”せとうち”商い中』 8.『あなたといっしょにゆれましょう』。ただ、主人は、旧友の作詞した『だあれもいない』にかなり衝撃を受けたようではあった。
なんという淋しさ・・・
『めしを食っても/だあれもいない/お茶を飲んでもだあれもいない/テレビを見たって/夜が更けたたって/だあれもいない/おれのそばには/だあれもいない・・・便りするやつ/だあれもいない/電話するやつ/だあれもいない/さくら咲いた日/月かがやく日/訪ねてくるやつ/だあれもいない/俺が死んでも/生きてていても/気にするやつは/だあれもいない』。なんという淋しさ・・・。
咳をしてもひとり
主人は、郷里の俳人、尾崎方哉 『咳をしてもひとり』 を思った由。自由律俳句の究極の一句として知られるが、尾崎は東大法学部を出て大手生命保険会社のエリートコースに乗るものの突如、俳句三昧の引き篭もりの暮らしに入る。他に 『こんな良い月を一人で見て寝る』 『一人の道が暮れてきた』 などがあり、酒乱の果て42歳で逝った辞世の句は 『春の山のうしろから烟が出だした』。
現役なきOB会・・・年々老化する筈なのに
そんな或る日、主人は学生時代のサークルのOB会に行った。そのサークルは既に無くOB会は年々老齢化が進む。が、そんな自然の摂理に叛し?4年に一度の集いは、主人曰く『寧ろ激しく若返っている』由。確かに、入学年度毎にステージに並び自己紹介その他のパフォーマンスの写真を見ると華麗なる老化ではあるが、まぁ吾輩には 「無駄な抵抗」 「年よりの悪あがき」 にしか見えない。
まるで青年の旅立ち?
なお、冒頭の亡くなった友への黙祷では、さすがにみな厳粛かつしんみりした由。よみあげられた物故者の名に、いつの日か自身の名が連なる光景が重なったのであろう。しかし 写真の「栞」に描かれた絵手紙(OB作)にあるように、「太陽に向かって」「希望と夢を持って」「厳しい寒さの中で」「強さを秘めて」は・・・虹の向こうへではなく、まるで青年の旅立ちの様である。
同期のささやかな二次会
OB会が終わると、主人の同期5人でささやかな二次会。東京から参加した一人は奥さま連れの旅を兼ねて・・・。その奥さまがその日、誕生日と聞き、これまたささやかな誕生日をお祝いしあたりを憚るように超!小声で♪「ハピーパースデイトゥーユー・・・」と歌った由。隣の若者グループが、「おっさん、おばはんら、ようやるわ」のマナザシだったそうだが、ほんま、ようやる・・・。
いずれも当日配られたOB会の「栞」より