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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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山野草の杜にて … 名曲断想4

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 格別のことがなくともナニゲに出かける和知(京都府)山野草の杜。コロナ籠りをますます強いられそうな25日の前に…と出かけました。入苑は世知辛くも300円/人の有料ながらこの杜をJR山陰線が走り由良川が流れるだだっ広さ… "三密" には程遠い世界ではあります。


               風もなく穏やかな水面の由良川に山桜がまだ残っています。

 人間て同じことを考え思いつくもののようです。杜で出遭い少し話をするとみなさん『明日から暫く "籠りびと" になりますから今日のうちに!』と…。いつもは人影はまばらなのに結構な人出でした。弁当を広げる "登山仲間" のみなさんは「軽すぎる散策」と。


           整備された散策路が殆どですが、急峻な細い山道も結構!あります。

 小高い山頂に "忠魂碑" があります。この村から日清・日露の戦争に出征し斃れた人々の慰霊碑です。小さな村でしょうに礎石には数十人の名が刻まれていました。将校は皆無…伍長、曹長が少数…殆どは上等兵以下の兵卒です。この村の悲しみの深さを思いました。



 「青春」という言葉に 李恢成「われら青春の途上にて」、俵万智「サラダ記念日」にある『青春という字を書いて横線の多いことのみなぜか気になる』を思います。誰にもあった輝かしくも苦しく悩ましい青春、そして生きていれば誰もが迎える老春、旅立ち。


     和知 "山野草の杜" にあるJR山陰線鉄橋…青春の十年余 郷里との往復をした鉄橋です。

 「またそんな話か!」と揶揄されそうですね。今日は尾崎豊の命日、生きていれば56歳…三十周忌です。『だけどこの目に映るこの街で僕はずっと生きてゆかなければ』と歌いながら "野垂れ死に" のように或る日 突然!旅立ちました、まるで僕が僕ではなかったかのように…。

"僕が僕であるために" (作詞作曲:尾崎豊) 『心すれちがう悲しい生きザマに ため息もらしていた/だけどこの目に映るこの街で僕はずっと生きてゆかなければ/人を傷つけることに目を伏せるけど 優しさを口にすれば人はみな傷ついてゆく/僕が僕であるために 勝ちつづけなきゃならない/正しいものは何なのか それがこの胸にわかるまで/僕は街にのまれて少し心許しながら この冷たい街の風に歌いつづけてる』

 心すれちがう悲しい生きザマ…。長く生きる程に身に沁みてわかる生きザマですが、未だ二十代半ば、青春の真っ只中で旅立ちました。「十五の夜」を歌った尾崎は、生きていればどんな「四十五の夜」「五十五の夜」、どんな「I Love you」を歌ったでしょうか!?


    
 人間の顔。美男美女がいつもいつまでもそう!とは限りません。そうではない!ひとも 老いてそれなりにカッコ良くなります。その典型?の一人が小椋佳かもしれません。齢を重ねる毎に ほんと!カッコ良くなられました。二十代のステージと較べれば歴然!です。

"さらば青春" (作詞作曲:小椋佳)『僕は呼びかけはしない 遠くすぎ去るものに/僕は呼びかけはしない 傍らを行くものさえ/見るがいい 黒い水が抱き込むように流れて行く/少女よ泣くのはおやめ/風も木も川も土も みんなみんな戯れの口笛を吹く...少女よ泣くのはおやめ/空も海も月も星も みんなみんな虚ろな輝きだ』

 東大法学部から旧第一勧銀(現みずほ銀)へ。二足の "草鞋" ならぬ "金の靴" でシンガーソングライターとしても超一流の道を歩み、晩年?は東大大学院で修士号(哲学)。その華々しさの裡で彼を少し苦しめたのが前述の非ハンサム系顔立と言われていますが、文句な~し!

 そう言えば阿久悠も非ハンサム系かな?(ついでながら私も!)。その分 詞・曲に陽の当たる世界とはやや趣を異にする "特有の翳り" が感じられます(ついでながら私のブログも!)。「遠く過ぎ去るものに 呼びかけはしない」けど、少女には「泣くのはおやめ」と優しく語りかけます。


   太田裕美さんの "フリ" が素敵です。乳がんに罹られましたが、ご恢復 ご活躍をお祈りします。
    若き日の小椋佳 https://www.youtube.com/watch?v=3uO6fNUaeRE

 1960~70年代、フォークソングがムーブとなりました。ポップスっぽいフォークもありましたが、主流はプロテスト!フォークでした。「歌って踊ってナンセンス」と言っていた人の心をも一つにしたフォークが「We shall overcome」であり日本の「友よ」でした。

”We shall overcome” (作詞作曲:C.ティンドリー 補作:P.シーガー)
  We shall overcome. We shall overcome. We shall overcome someday.
    我らは勝利する 我らは勝利する いつの日か勝利する(※)
  We shall hand in hand. We shall hand in hand. We shall hand in hand someday.
    我らは手を繋ぐ 我らは手を繋ぐ いつの日か手に手を繋ぐ(※)
  We shall all be free. We shall all be free. We shall all be free someday.
    我らはみな解き放たれる 我らはみな解き放たれる いつの日かみな自由になる(※)  
  We are not afraid. We are not afraid. We are not afraid today.
    我らは怖れない 我らは怖れない 今このときも怖れない(※)
  We are not alone. We are not alone. We are not alone today.
    我らは独りではない 我らは独りではない いつの日か勝利するその日まで誰も独りにしない(※)
  (※)Oh deep in my heart. I do believe. We shall overcome someday.
     (※)おぉ 我が心の底から 勝利する日が来ることを 我らは信じてやまない


          歳はとりましたが なお!凛と力強いジョーン・バエズのうたごえです。

 プロテスト(抵抗)ソングであったフォークが米国から日本を含め世界を席巻した1960~70年代を画期として 若者の "反米" 傾向が "親米" に舵を切りました。それは歴史のアイロニーでしょうか。それとも水面下深く大国が巧みに仕組んだ思想と文化の支配!でしょうか。


      杜の日陰にひっそりと咲くシャガ(著莪)。花言葉は "反抗(プロテスト)" だそうです。

 1970年代半ばに歌われた りりィ「私は泣いています」。「私は泣いています」と歌うのですが、私のほうが胸がいっぱいになります。私より歳下ながら、もの憂い眼でもの憂く歌われると…かないません。それこそあなたの幸せ願っていたのに旅立ってしまいました。

"私は泣いています" (作詞作曲:りりィ) 『私は泣いています ベッドの上で/私は泣いていますベッドの上で/あなたに逢えて幸せだった/昼も夜も帰らない あなたがいたから /どんなことでも なりふりかまわず歩いてきたの … あなたは言うの もう終りだと/まさかそれは嘘でしょう/あなたの言葉が私のまわりで 嵐のように渦まいているの … 私は泣いていますベッドの上で/あなたの幸せ願っているわ/私だけはいつまでも…



 紫陽花とよく似た "オオデマリ(大手毬)" には 紫陽花よりひとつひとつの花びらにしっとり量感があります。花言葉には "天国" も…。りりィに捧げます。そして今日が命日の尾崎豊にもおくります。ひとを偲ぶのは生きていればこそ…偲べる限り偲びたいと存じます。




【過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c

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