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Channel: デ某の「ひょっこりポンポン山」
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マーブルチョコレート

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 祇園祭宵山の16日に胆嚢炎、胆石で診察を受けました。「22日入院、23日手術」と想定外!の速さで決まり、行こうと思っていた祇園祭「後祭」の翌26日に退院、アッという間の出来事でした。想定外!は他にもあり、癒着が進んでいて胆嚢全摘としては難度の高い手術であったこと、摘出したブツ!の多さと大きさにもビックリしました。そして術後の心身のダメージが半端ないことこそ最大の想定外であったかもしれません。 


     病院の屋上から「右大文字」が すぐ!そこ! に見えるなかなかのロケーション。

 入院して間もなく麻酔科の女性医師から麻酔について説明がありました。「術前検査の結果は良好ですから大丈夫です。標準値では黄信号とされるものも麻酔医の立場では青信号、今日は安心してぐっすりおやすみください」。すっかり良い気持ちになっていたところに執刀医から術前説明がありました。「癒着が進み胆管を損傷するリスクを伴う難しい手術になりそうです。開腹、再手術についても予めご承知おきください」。

 「聞いてないよぉ」ってところですが、聞いてしまいました 眠れぬ夜となりそうで眠剤を出してもらいました。普段つかいませんから、よく効きぐっすり眠りました。手術直前には浣腸!が定番ですが、有難いことに「先生から特に指示はありませんが、ご希望があれば…」とのことでしたので、「希望は差し控えさせていただきます」。「明日までベッドから起き上がれませんけど大丈夫ですか?」にも、「大丈夫です」。

 手術着に着替え看護師さんに伴われ歩いて部屋を出たところで、お腹がゴロゴロ騒ぎだしました。EVで手術室に行くと満潮状態、「すみません、トイレに行かせてください」。無事!出すべきものを出し流そうとしたらビィ~~ンと非常ベルが鳴り、誰やぁ?と思ったら、私でした。駆けつけた看護師さんに「すみません、間違えました」。付き添って来ていた妻は羞かしくて顔が真っ赤になったそうですが、私だって真っ青。


    病院屋上から眺める比叡山。京都盆地を囲む山々の中ではさすがに一段!高い山です。

 注射の針が刺さりにくい体質に「緊張で血管が収縮している」そうで、手術台に寝たまま左右の手の方々にブスブス刺されました。結局「まず酸素マスクから眠りを誘い緊張を解いてから本格的に麻酔などを点滴します」と。マスクをかけられ数呼吸すると意識がなくなりました。手術は2時間、目覚めたのは3時間後の由。「どうでしたか?」と訊くと、「上々でした。予定通り腹腔鏡下で2時間でした」に心底!安堵しました。

 病室に帰ると妻が「良かったぁ」。そして誰彼なしに「ありがとうございました」と。私も同じ心境でした。やがて姉も来て妻と歓談するのを私はなんとなくぼんやり聞いていました。腎がんの手術直後の方が厳しかった筈ですが、私の実感としてはここ数年の三回の手術の中で心身とも最もダメージが大きかったように感じていました。それが「トシ」ということかなぁと思い、「ぎりぎり体力があるうちで良かった」と。

 摘出した胆石がケースに納められ届きました。まるで明治のマーブルチョコレートのような石が8個。小さな石がビッシリ!と聞いていましたから、その大きさにビックリしました。写真を載せたいところですが、マーブルチョコが食べられなくなると困りますから差し控えます。主治医は「よく我慢していましたね」と仰いましたが、激痛ではなく厭な痛みでしたからね。それにしても改めて手術できて良かったと思いました。


      もっと球形に近い胆石ですが、まぁこんな感じです (「フリー画像」より)

 腎がんは術後72時間を絶対安静。一方、胆嚢全摘は翌朝に導尿カテーテルが外され抗生剤の点滴も終わりました。できるだけ歩くよう奨められ、お腹をおさえて廊下を数往復しました。お昼は お粥に卯の花の和えもの、夕食はお粥以外は普通食でした。入院食は一食460円(全額自費)にしては上々でした。食事の都度 感謝と感想を記し お盆に置きましたら 病室に管理栄養士さんが来られ「スタッフ全員の励みになっています」と。

 腎がんでは小さな孔を五つ開けて手術。今回はヘソから大きく!管を入れ、補助的にごく小さな孔が一か所、術後は傷痕がほぼ目立ちません。お嫁に行くわけでもビキニを着るわけでもない私にはどぉでもいいことですが、術式として一つのイノベーションだと思います。ただ、お腹をパンパンにガスで膨らませて手術するため術後かなり腹筋が痛みヘソも痛みます。ヘソ曲がりの人は少し真っ直ぐになるかもしれませんが...。


   たぶん船岡山。吉田兼好「徒然草」、清少納言「枕草子」に登場します(病院屋上より)

 まだ痛みが残り、お腹は妊娠三か月、がん細胞の有無の生検も残っています。が、大きなヤマを越えた安堵感に包まれています。あわせて否応なく「トシ」を実感させる手術でもありましたし、毎日数回!痰を吸引され苦しい声を上げていらっしゃる隣室の患者さんに触れ、これからの人生の心構えの見直しを迫られもしました。命も人生も元気も限りあるものですから、護る!攻める!は兎も角、受け容れる覚悟をこそと...。

  辻井伸行 「それでも、生きてゆく」


   
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