春3月。いったい主人には何度目の春三月なるや...。
錦を飾るでもなく 終の棲家とするでもなく ただ郷里の海に立ち山を見る。
そんな主人に寄り添うのも...悪くない と言っておこう。
1年ほど前は、バスに乗り遅れたからと3~4kmを歩いて帰った主人の母。
その後 怪我をして入院、いわゆる「サ高住」を経て 主人の父のいるGホームへ。
10月、主人の父が亡くなり Gホームでは『何もすることがない。一日が長い』と。
吾輩にも一日は長い。長いが、吾輩には眠ることも仕事(有為)、愉しみでもある。
『人生に於いてやり甲斐をみつけることは幸せな日々を過ごすことに繋がる』とは
今日の朝ドラで聴いた言葉だが、人間には よほど「無為」がつらいとみえる。
春3月は人のこころを掻き乱す。
1970年代の初め「出発」と書いて「たびだち」 と読ませる歌が流行った。
別れの3月は出発に重なり 人の感傷など俟たずして 人を新しい世界に連れ出す。
『乾いた空を見上げているのは誰だ
おまえの目に焼きついたものは化石の街 おまえの耳を塞がせたものは時計の森
自由な日々が喪れた時 遺されたものは出発の歌 さぁ今 銀河の向うへ飛んで行け』
春3月の昨2日、主人にファックスとどく。
かつて主人に 時に苦難を強い やがて稀に主人を奮い立たせた男がひとり 旅立った。
頑丈で雄弁 居丈高な男は 淋しがりの優しい男ではあったかもしれない。合掌。
『心の底まで痺れるような 吐息が切ない囁きだから 泪が思わず湧いてきて...』
銀座の恋の歌にしてはおしゃれな歌ではない。ではあれ しばしば主人がくちずさむ。
かと思えば 吾輩の手を無理やり掴み 石川セリ「ダンスはうまく踊れない」を踊る。
春が人間のこころを掻き乱すのか 春の所為にしてこころ乱れて見せるのか...。
まあ どちらでもいい。人間の行動に総て理由があるわけではあるまい。
が、それにしても主人に覇気がない。そもそも覇気などないが、如何にも覇気がない。
【March...QP Clendar】
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